埼玉新聞

 

蜂蜜ラスク、戸田の名物に 生み出したのは家庭科室に集まった小学生3人、パン屋も協力「びっくり」

  • (左から)戸田ハニーラスクを持つ志水凛心さん。大出桃羽さんと大下瑠輝君が持つのは3人で作った宣伝ポスター=22日、戸田市立東小学校

 埼玉県戸田市立東小学校(小高美恵子校長)の6年生3人が、戸田商工会が商工会館屋上の養蜂場で作る蜂蜜と市内の自家製パン店を結び付けた「戸田ハニー・ラスク」を考案。同店が26日から1カ月間、製造販売することになった。「戸田に新しい名物を」という3人の熱意に応えた。

 考案したのは、志水凛心(りこ)さん、大出桃羽さん、大下瑠輝君。3人は、昨夏から6年生の総合学習「戸田に幸せの花を咲かせよう」で学んだ。「名物があれば、戸田に親しみが湧く。愛せる町になる。ならば名物を作っちゃおうって思った」と志水さん。

 インターネットで戸田商工会の蜂蜜が「戸田ハニー」として販売されていることを見つけ、「これだ」と3人は思った。学校内のアンケート調査で戸田ハニーを知っている人は26%と少なかった。「でもこの蜂蜜はれっきとした戸田産。これでお菓子を作ろう」と意見が一致した。 昨年9月、3人は家庭科室に集まった。「市内で買った食パンで作ったラスク、パンケーキ用の粉で作ったスコーン、クッキーを作って三つの味を調べた。商品はラスクに決めた」と大下君。

 昨年11月26日、給食に3人が考えたレシピでハニーラスクが出た。1枚ずつだったが好評だった。大出さんがフランスパンを持ってきた。「おいしいね」。「この店は戸田にしかない」。3人は「この店に戸田ハニーを使ったラスクを作ってもらったら素晴らしいね」と考えた。

 昨年12月、3人は商品企画を説明に同店を訪問。懸命に説明する3人に女性店長が「じゃあ、やってみよう」。3人組の話を聞いたのはオーナー夫人の内海陽子さんだった。「3人の一生懸命な話を聞いて、やってみようか、と決めました」と語る。

 ラスクはフランスパンと食パンの2種類。素焼きで水分を飛ばして蜂蜜を塗り、もう一回焼く。製造販売するのは同市上戸田3丁目の「石窯パン工房・暖家」。

 「難しいと思ったのに夢が実現するなんて」と大出さん。「うれしくて、びっくり」と志水さん。大下君は「みんなにたくさん食べてほしい」。3人の期待は膨らむ。

 問い合わせは、石窯パン工房・暖家(電話048・446・2233)へ。

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