埼玉新聞

 

園芸店6代目、装飾でW受賞 天皇陛下御在位三十年記念グランプリと総理大臣賞 父も受賞「不思議な縁」

  • グランプリと内閣総理大臣賞を受賞した金子峻昌さん=寄居町用土の金子園芸

 「天皇陛下御在位三十年記念 第30回技能グランプリ」(厚生労働省など主催)が3月1日から4日まで開催され、寄居町用土の金子園芸6代目金子峻昌さん(36)が「園芸装飾」職種でグランプリを受賞、合わせて内閣総理大臣賞も獲得した。

 父で5代目・正広さん(享年41歳)も36歳の時にグランプリを受賞。3度目の挑戦で栄冠を手にした金子さんは「不思議な縁」と話している。

 同グランプリは隔年で実施。30職種に533人が出場した。今回の園芸装飾の課題は「ようこそ神戸」で、1級技能士の10人が出場。奥行き3メートル、幅4メートルの広さの中に支給材料で造っていく。競技時間は5時間。金子さんは海から見た神戸の街並みをイメージして仕上げた。

 初出場の時は4位で、現実の厳しさを知った。装飾のイベント会場に行くなど幅広い分野で勉強し2回目は3位だった。今回は関係者らに「これで最後にします」と宣言して競技に臨んだ。

 内閣総理大臣賞は全グランプリの中から4人に贈られた。金子さんは「(受賞で)プレッシャーもあるが、さらに勉強して人を喜ばせたい」と技術を磨く。植物は愛情を注ぐと応えてくれるそうで、「水の音や葉の擦れる音など緑を取り入れた上質な時間を提供し、日本の良さを外国にも発信したい」と話している。

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