埼玉新聞

 

高3自殺、教育長が両親に謝罪 当初学校いじめ認めず…両親は納得せず再調査「いじめ認定」/さいたま

  • 「尊い命が失われたことを重く受け止め、再発防止に全力で取り組む」と述べた細田真由美教育長=11日午後、さいたま市役所

 2014年11月に自殺したさいたま市立浦和高3年の男子生徒=当時(18)=について、さいたま市教育委員会は11日、調査していた第三者委員会の報告書を公表した。報告書では「同級生からのからかいは軽いやりとりで生じた事案であるが、いじめに該当する。

 いじめが直接的に自殺を招いたとは断定しがたいが、間接的な要因になった」と結論づけた。当初の高校の調査でいじめは認められず、両親が再調査を求めていた。細田真由美教育長は報告書を受け、両親に謝罪した。

 市教委によると、男子生徒は中高一貫校の同校内で中学3年の時から顔が赤くなることなどで、からかわれていた。自殺直前の14年10月28日から学校を欠席し、11月3日に同市北区のJR高崎線の線路上に横たわり、列車にはねられ死亡した。

 学校は翌4日、教職員や同級生314人にアンケート調査を行い、12月6日に「いじめの事実は確認できなかった」と遺族に報告した。

 遺族が学校の調査に納得せず、第三者調査を要望した。15年3月から「さいたま市いじめ防止対策推進条例に基づいた調査専門員」による調査が開始。約2年7カ月かけて、生徒への聞き取り21回、会議など17回行い、17年10月に教育長へ報告書を提出した。

 細田教育長は同年12月に遺族宅を訪れ、両親に謝罪している。

 市教委によると、遺族の要望を受け、調査報告の公表時期を決めたという。

 両親は市教委を通じて「報告書でいじめと認定され安堵(あんど)している。息子の同級生は事の重大さを真摯(しんし)に受け止め、二度とこのようなことがないようにしてほしい」とのコメントを出した。

 細田教育長は「亡くなった生徒に対し心から冥福をお祈りする。かけがえのない尊い命が失われたことを重く受け止め、調査専門員の提言を受け、再発防止に全力で取り組んでいる。今後、子どもたちの一人の命も失われることがないことを願い、万全の体制を整える」と述べた。

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