埼玉新聞

 

これで最後ね…常連客の言葉きっかけ 戸田の理容室が訪問理容、マスクや除菌液なども持参しカット

  • 訪問理容を行っている広田雄次さん

 老後もおしゃれで豊かな生活を送ってもらおうと、戸田市新曽の理容室「SHOGUNスタイリストチーム」を営む広田雄次さん(62)は今月から、お客の自宅に出向き、カットやカラーリングを行う訪問理容を行っている。

 きっかけは、2月に店を訪れた常連の80代の女性客から「高齢で歩くのもしんどい。これで最後ね」という言葉を聞いたことだった。広田さんは「おしゃれはしたいけど、来店できないお客さんの希望を何とか、かなえたい」と準備を始めた。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で、一時断念。7月以降、客足が戻ってきたこともあり、感染防止対策を徹底して本格的に始めた。

 広田さんは「おしゃれや身だしなみに年齢は関係ない。戸田で創業から35年になり、なじみのお客さんと一緒に、私も年を重ねてきた。私が元気なうちは、お客さんへの恩返しで、要望がある限り続けていきたい」と意気込む。

 訪問地域は、店のある戸田市新曽近隣から徐々に拡大していく予定。基本はカットだけだが、要望があればカラーリングも別途料金で受け付ける。はさみ、くしなどの用具は、店から全て持ち込み、フェースシールド、マスクの着用と除菌液を持参してカットを行う。

 訪問理容は、定休日の毎週月曜日と第2、第3火曜日。要予約。問い合わせは、同理容室(電話048・431・3164)へ。

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