埼玉新聞

 

<活字文化の日>J2大宮・金澤慎さん、本屋で自分と異なる考え方発見 指導者になり、変化した価値観

  • 大宮アルディージャ地域プロデュース部コーチの金澤慎さん

 10月27日~11月9日は「読書週間」。初日にあたる10月27日は「文字活字文化の日」に制定されています。埼玉新聞では同日付で、「私の名著~心に残る一冊&フレーズ~」と題した特集を掲載しました。

 地元埼玉にゆかりのある著名人の方々が、本との出会いや読書の素晴らしさを伝えています。本記事は同特集からの抜粋です。

■大宮アルディージャ・金澤慎さん、私の名著

 僕は本屋さんで見かけた本で、「読んでみたい!」と思う直感で読む本を選んでいます。本屋さんにはたまに行きますね。新しい気付きや自分の考え方ではない違った発見をできるからだと思います。

 最近、読んだ本で印象に残っているは「FACTFULNESS」(ハンス・ロスリング著)という本です。たまたま通りかかった話題の新書のコーナーで見つけた一冊です。

 この一冊には「あなたの“常識”は20年前で止まっている!?」と帯で紹介してありました。この文字を見て、すごくドキッとして思わず手に取ってしまいました。少し内容について話すと、普段目にしている膨大な情報に惑わされることなく、データや事実にもとづいて世界を知ったり、見たりする習慣をつけるものです。

 そうしたことを考えるのも自分が指導者という立場になったからだと思います。この本にある「謙虚さと好奇心を持つ」というテーマは、普段の生活だけでなく人として大事なことも新ためて考えるきっかけになりました。その他には、もちろんサッカーの関係の本も読みます。ACミランやチェルシーなどビッグクラブを率いてきたカルロ・アンチェロッティの「戦術としての監督」は印象に残っている本です。

 読書をすることは多様な視点を広げられる手段だと思っています。ジャンルでいうと自伝、自己啓発などはこれからも実際に読んでみて今後の自分の糧にしていきたいと思っています。視点を広げるという意味では、これから小説も読んでいきたいですね。埼玉県の行田を舞台にした「陸王」(池井戸潤著)は読みましたよ。

 大宮アルディージャでは多くの方に本を手に取っていただきたいと大宮図書館と連携もしています。特にこれから未来ある子どもたちにはつまらなそうだと思っても新しい気付きや、発見があるかもと思い、本と親しんでほしいです。この秋は今までに読んだことのないような本にも手を伸ばして、読書を楽しんでほしいと思います。

■私のおすすめBEST3

(1)「FACTFULNESS」 ハンス・ロスリング 著

(2)「戦術としての監督 カルロ・アンチェロッティ 著

(3)「陸王」 池井戸潤 著

■金澤慎(かなざわ・しん)

 1983年9月9日生まれ。さいたま市見沼区出身。大宮アルディージャユース1期生としてトップチームに昇格し計16シーズンプレー。Jリーグ通算361試合出場14得点。2019年限りで現役を引退し、現在は指導者としてサッカーの普及、育成に携わっている。

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