埼玉新聞

 

<新型コロナ>劇団クラスターさらに6人感染 顔ずらして話すなど対策徹底も 以前1人感染の際は全員陰性

  • 劇団「ミュージカル座」の入るビル。稽古をしていた二つのスタジオは4階にあるという=12日午前、さいたま市浦和区常盤9丁目

 さいたま市浦和区の劇団「ミュージカル座」で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した問題で、市は12日、新たに6人の感染が判明し、感染者は計68人になったと発表した。少なくとも3人が陰性の結果から、再度の検査で陽性になった。稽古に参加した91人が検査を受けており、結果待ちは6人。

 感染者は男性15人、女性53人。年代別では、10代6人(いずれも女性)、20代46人(男性8人、女性38人)、30代9人(男性4人、女性5人)、40代6人(男性2人、女性4人)、60代1人(男性)。

 劇団は12日、公式ホームページ(HP)で「ご心配と多大なるご迷惑をお掛けいたしまして、誠に申し訳ございません」と記し、感染の経緯を明らかにした。

 HPなどによると、4日午後1時~6時、6日午後1時~7時まで稽古を行った。終了から数時間後、男性出演者から「他の現場での陽性者と濃厚接触の疑いがあるため、これからPCR検査を受ける。検査結果は7日昼ごろに出る」と連絡があった。7日午前、他の出演者3人から発熱症状の連絡を受けて、稽古中止を決定。午後2時ごろ、男性から「検査結果は陽性だった」との報告を受け、公演関係者に自宅待機の連絡をして、体調不良を訴えている人に検査を受けるよう指示。8日午後、稽古に参加した全員に、診察と検査を受けるよう改めて指示した。

 劇団はJR北浦和駅近くの住宅街の一角にある4階建てビルに入居し、稽古が行われていたのは4階のAスタジオ(約80平方メートル)とBスタジオ(約70平方メートル)。感染防止対策では、手洗い、うがい、検温、消毒を徹底し、全員がマスクを着用していた。セリフを話すときは顔をずらしていたという。換気用の大型ファンを3台設置し、1時間ごとに10分以上の換気を行っていた。複数人の会食を避けるように促していた。

 7月にも出演者1人の感染が判明したが、関係者は陰性だったという。

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