埼玉新聞

 

若手フランス料理人が腕競う、熊谷で仏料理コンテスト 熊谷出身、地元レストランの副料理長が初優勝

  • 「アントナン・カーレム・グランプリ パリ美食コンテスト料理部門」で、料理を盛り付ける佐藤文彦さん=熊谷市籠原南の埼玉県調理師専門学校

 全国のホテルやレストランで働く若手フランス料理人が腕を競う「アントナン・カーレム・グランプリ パリ美食コンテスト料理部門」が、熊谷市籠原南の埼玉県調理師専門学校で開かれた。舌平目を円柱型に盛り付けた「舌平目のタンバル」をテーマに、8人がオリジナル料理を披露。審査の結果、熊谷市上川上の「レストランアミュゼ」副料理長の佐藤文彦さん(28)が初優勝した。

 フランス料理の基礎を築いたアントナン・カーレム(1783~1833)の顕彰活動を進める日本アントナン・カーレム協会(フレデリック・チバ会長)の主催。フランス料理の普及と料理人の育成を目的に昨年から始まった。

 今回は全国から15人の応募があり、書類選考を通過した20代と30代の8人が決勝に進出。調理時間は2時間で出来上がった料理を並べ、日仏6人の審査員が厳しい目で味や盛り付け、素材の使い方などを評価した。

 「びっくりした。まだ実感が湧かない」。2回目の出場で栄冠を獲得した佐藤さん。今回の料理「タンバル・ド・フィレ・ド・ソル 春の芽吹きを感じて」は、エビの赤、ホウレンソウの緑、ホタテの白の3色のムースで鮮やかなグラデーションを表現。付け合わせには豆類のほか梅や桜の花も添え、春らしい一皿に仕上げた。伝統的な調理法にならい、ガスオーブンを使って舌平目を加熱するなど、見えない部分にもこだわった。

 熊谷市出身。高校時代に焼肉店でアルバイトした経験から料理に興味を持ち、進学した同校でフランス料理の奥深さを知った。記念のトロフィーを受け取り、「自分が満足するのではなく、食べてもらった人に感動してもらえる料理を作りたい」と抱負を語っていた。

ツイート シェア シェア