埼玉新聞

 

女性受けするビールにさいたま産の小麦使ったクラフトビール完成 武蔵野銀行、地元企業と協力し商品化

  • さいたま市産の小麦を使って完成したクラフトビール「さいたま育ちウィート」を手にする武蔵野銀行の長堀和正頭取(左)と氷川ブリュワリーの菊池俊秀代表取締役=11日午後、さいたま市大宮区

 武蔵野銀行は11日、さいたま市大宮区の氷川ブリュワリーで、さいたま市産の小麦を使ったクラフトビール「さいたま育ちWheat(ウィート)」の完成披露式を行った。市や地元企業と協力して小麦の生産や商品化、販売を後押しする「6次産業創造プロジェクト」の一環で、試飲した長堀和正頭取は「プロジェクト開始から6年間、携わってきた多くの人の思いが凝縮したビールができ、感無量」と喜んだ。

 プロジェクトは見沼田んぼで生産していた小麦栽培を復活させ、県内独自の麺類や菓子類を生み出すことが狙い。長堀頭取らは6月16日、見沼区の地元農家から借りた1千平方メートルの畑で、昨秋に植えた「ハナマンテン」「さとのそら」などの小麦を収穫。その小麦をクラフトビールの材料として、氷川ブリュワリーが醸造した。

 完成したビール「ウィート」は濁りと、ホップの芳醇(ほうじゅん)な香りが感じられる「ヘイジー ペール エール」に分類。アルコール度数5%で、口当たりの滑らかさとフルーティーな香りが特徴だ。

 同ブリュワリーの菊池俊秀代表取締役は「麦の量を増やし、コクも十分に味わえる。炭酸も抑え目で女性受けするビールに仕上がった」と太鼓判を押す。原材料全てをさいたま市産で醸造する「オールさいたまクラフトビール」の製造を目指しているという。

 「ウィート」は同ブリュワリーのみで販売し、568ミリリットル1300円(税別)。プロジェクト第1弾として小麦4キロを使い、約110リットル製造した。長堀頭取は「ビールを通じて地元の良さを再認識し、地元をより知ってもらうきっかけになればうれしい」と話している。

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