埼玉新聞

 

待機児童、さいたまが全国で最多 駅周辺の住宅建設や共働き世帯の増加、保育施設の整備も追い付けず

  • さいたま市役所=さいたま市浦和区常盤

 厚生労働省は4日、希望しても認可保育所などに入れない待機児童が、今年4月1日時点で昨年より4333人少ない1万2439人だったと発表した。調査を始めた1994年以降で最少。政府は待機児童を2020年度末までにゼロにするとの目標を掲げるが、加藤勝信厚生労働相は4日の記者会見で「なかなか厳しい状況にある」と述べ、20年度中の達成を事実上断念し、先送りする方針を明らかにした。市区町村別で待機児童が最も多かったのは、さいたま市で387人だった。

 さいたま市のびのび安心子育て課によると、待機児童数は過去最多だった昨年の393人より6人減って387人となったが、全国の市区町村別で最多。市では18保育施設を整備して1317人増やし、定員を2万3988人としたが、受け皿が追い付いていないのが現状だ。

 JR西大宮駅や浦和美園駅周辺の区画整備事業による住宅建設や、共働き世帯の増加などで、新規の利用申し込み数は過去最多の9707人(前年度比488人増)。現在の市内保育施設は392で、定員は2万3988人。今後も保育ニーズの高まりが予想されることから、市では来年4月へ向け、過去最多の27施設を新設して、定員を2083人増加する考え。

 同課では「全国ワーストの状況を危機感を持って受け止め、これまで以上に認可保育所の整備などに一層取り組みたい」としている。

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