埼玉新聞

 

ハイデイ日高、初のスパゲティ専門店をオープン 高価格帯の中華料理店は順調 客足が回復基調に

  • カウンターとテーブル席が全42席ある店内=26日午前、東京都町田市の「亀よし食堂」

 ラーメン店「日高屋」を展開するハイデイ日高(さいたま市大宮区)は今月8日、新業態のスパゲティ専門店「亀よし食堂 町田中央店」を東京都町田市にオープンした。イタリアン専門店は同社としては初。日高屋のイメージとは全く異なる新業態への挑戦となる。

 同店は小田急線町田駅東口から徒歩約1分。メニューはナポリタンや明太子クリームなど全8種類で、行田市の自社工場で製麺した生麺を使用。ゆでる前の分量は約200グラムとボリュームがありながら、価格は全て700円台。ビールやワインなどのアルコール類や一品メニューも提供。麺類のテイクアウトも可能だ。

 同社はこれまで首都圏の駅前に出店してきたが、8月現在439店舗(FC店除く)となり、駅前の出店余地が低下。同じ商圏で客を取り合う自社競合や、働き方改革によるサラリーマンのちょい飲み需要の減少、コロナ禍での収益低迷を受けて、新業態の店舗展開を進めている。

 同じく新業態で、今年2月に東京都新宿区に開店した、日高屋に比べて高価格帯の本格中華料理店「真心(しんしん)」は順調な滑り出しで、既に3号店が出店予定だ。一方、昨年、さいたま市大宮区に出店したちゃんぽん麺の新業態店は先月、閉店し業態変更。夜の時間帯に利益率の高いアルコール類と合わせた注文が少なく、売り上げが伸び悩んだ。

 コロナ禍での消費動向や生活様式の変化もあり、新業態の開発は容易ではないものの、4、5月の全店売上高はいずれも前年同期比で50%を下回ったが、6月以降は客足が戻り、7月は同75%まで回復している。

 小田急線沿いの店舗を担当する営業第3部の森陽平地区長(41)は「昼はしっかり食事ができ、夜は、スパゲティでワインを飲むという文化が若い人に浸透していることから、そうした客層が増える可能性もある。こうした新しいジャンルの店舗は(今後の新業態開発の)試金石になり得る」と自信を見せる。

 同社では同店の拡大とともに、新業態の開発と挑戦をさらに進めていく考えだ。

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