埼玉新聞

 

小2女児が死亡…プール吸水口に吸い込まれて ふじみ野の事故から14年 市長ら「二度と起こさない」

  • 事故から14年が経過し、献花台に花を手向ける高畑博市長(中央)。左は朝倉孝教育長、右は小林憲人市議会議長=31日午前8時過ぎ、ふじみ野市大井武蔵野

 ふじみ野市大井武蔵野の市営「大井プール」で2006年7月、所沢市の小学2年生戸丸瑛梨香さん=当時(7)=が吸水口に吸い込まれ死亡した事故で、ふじみ野市の高畑博市長ら市関係者は発生から14年目に当たる31日、プール跡地に隣接した市立スポーツセンター総合体育館敷地内で献花し、戸丸さんの冥福を祈るとともに、悲惨な事故を二度と起こさないための安全管理の徹底を誓った。

 献花のため現場を訪れたのは高畑市長のほか、福島浩之副市長と朝倉孝教育長、市議会の小林憲人議長、島田和泉副議長の5人。

 5人は現場の献花台に花束を手向け、黙とう。改めて戸丸さんの死を悼んだ。

 献花後、高畑市長は「事故から14年が経過したが、1人の少女の尊い命が失われた事故は時間が経過しても忘れることがあってはならない。プールは新しい施設に生まれ変わったが、事故を風化させず、公共施設の安全を図ることがわれわれの使命」と語った。

 事故は、プールの吸水口の防護柵が強度の弱い針金で留められ、点検や対策が講じられていなかったことが原因。事故後、市は毎年7月の最終週を公共施設安全点検週間に設定。市内の公共施設の安全点検を実施しているほか、市長らが毎年、戸丸さんの命日に現場を訪れている。

 大井プールは2010年に解体され、跡地は老朽化した市内2カ所の弓道場の代替施設として、18年11月に同センター弓道場が開設されている。

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