埼玉新聞

 

浦和、未到の偉業目標に開幕 23日アウェー仙台戦 太陽であり風であるサポと力合わせ“航海”へ

  • 指揮を執る浦和のオリベイラ監督=2018年12月1日、埼玉スタジアム

  • 円陣を組む浦和イレブン=2018年10月20日、埼玉スタジアム

 27年目のシーズンが開幕した明治安田J1は23日に各地で8試合が行われ、浦和はアウェーで仙台と対戦する(14時・ユアスタ)。

アジアの舞台に戻るという決意を胸に、国内の戦いに集中した昨季。リーグ開幕から5試合で2分け3敗と出遅れ、クラブは堀監督を解任。暫定的にチームを指揮した大槻監督の下、第6節で初勝利を挙げた相手が仙台だった。前半5分に興梠のゴールで先制すると、反撃を耐え抜いて1―0で逃げ切った。

 選手たちが見せた勝利を追い求める姿勢は、後に浦和の指揮官となったオリベイラ監督の下で輝きを増す。昨年12月の天皇杯決勝では宇賀神の豪快ボレーが仙台を粉砕した。3季連続のタイトルを獲得した浦和が、仙台戦を出発点に日本とアジアの頂点へ突き進む。

■さあ帆を揚げよ、浦和の誇りと夢を乗せて

 どのJクラブも成し得ていない、リーグ制覇とアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の2冠達成―。未到の偉業を目標に掲げた浦和の戦いが幕を開ける。光り輝く未来への扉を開くには、目指す頂への険しい道のりが待っている。

 浦和が初めてアジアの頂点に立った2007年は、リーグでも終盤まで首位を快走。第30節終了時点で2位に勝ち点7差をつけながら、残り4試合で2分け2敗と急ブレーキ。逆転優勝に沸いた当時の鹿島を指揮していたのが、ほかでもないオリベイラ監督だった。

 2度目のACL制覇を成し遂げた一昨年も、層の厚さを示すことができなかった。ACL決勝第2戦から中3日で迎えた第33節の川崎戦は、先発6人を入れ替えた布陣で0―1の敗戦。最終節も横浜Mに敗れ、リーグ7位に甘んじたシーズンを象徴した。

 昨年4月、序盤戦からつまずいた浦和を導くために「出航している船にパラシュートで飛び降りた」とオリベイラ監督。港でしっかり準備を整えて臨む今季は、「全員でこの航海を成功させないといけない」と始動から力を蓄えてきた。

 指揮官は浦和サポーターの存在を「われわれにエネルギーを与える太陽であり、風である。道を照らし、後方から押してくれる」と表現する。昨季の戦いでも力を合わせて、嵐のような苦難を乗り越えてきた。

 浦和の誇りと夢を乗せた船が帆を揚げる。はるか水平線の先へ、勝利の凱歌(がいか)を響かせながら。

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