埼玉新聞

 

特製「医療従事者応援 冷やし麺」、伊奈の日本薬科大など開発 “先輩”へ無償提供【#コロナとどう暮らす】

  • 日本薬科大と麺屋武蔵が共同開発した「医療従事者 応援冷やし麺」

  • 学生のメッセージ付き特製ラーメンを完食した医療従事者(大学提供)

 日本薬科大学(伊奈町)は10日、人気ラーメン店麺屋武蔵(東京・新宿区)と共同開発したテークアウト仕様の特製ラーメン約40食を、新型コロナウイルス軽症者を受け入れている横浜市内のホテルに無償提供した。

 「頑張っている医療従事者やホテルスタッフに元気を届けたい!」と同大学漢方研究部の学生と管理栄養士の棚橋伸子講師が監修した特製ラーメンは、その名も「医療従事者応援 冷やし麺」。

 鶏ガラ、すっぽん、高麗人参などでだしを取ったスープを、保冷効果もあり麺にからみやすいジュレ状にしたのが特徴。食材には、急性感染症の清熱薬として処方される板藍根(バンランコン)や免疫バランスを調整し、むくみを改善するハトムギ、気の流れを良くするミョウガやオオバといった旬の野菜を採用した。漢方薬学の観点から、疫病に対する抵抗力を高め、気力や体力を補い、すっきりした気分を味わえる薬膳冷やし麺が出来上がった。

 同大学と麺屋武蔵は、これまでにも花粉症、インフルエンザ、熱中症対策など期間限定の薬膳ラーメンシリーズを共同開発している。今回はシリーズ第5弾。メニュー開発の打ち合わせや完成試食会などはすべて、関係者がオンライン会議システムを利用して行った。薬学科の高野文英教授は「学生たちはいずれ自分たちも医療従事者になるとの意識を持っている。先輩を応援したいという気持ちを受け取ってもらい、元気になってもらえればうれしい」と話した。

 当日は学生らが“先輩”に宛てて書いた「お体に気を付けて頑張ってください」というメッセージカードも添えられ、心温まる「冷やし麺」となった。また同大学が北西酒造(上尾市)と共同開発した疲労回復、暑さ対策に効果があるとされる甘酒「甘こうじ」も併せて提供された。

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