埼玉新聞

 

鉄道博物館が再開、混雑しない工夫も 200系新幹線、クハ181特急型電車は換気できず車内公開なし

  • 車両ステーションの蒸気機関車の前で記念撮影をする来館者=10日午前、さいたま市大宮区

  • 体験型展示は中止だったものの、展示物を楽しむ親子連れ

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2月29日から臨時休館していたさいたま市大宮区の鉄道博物館が10日、営業を再開した。午前10時の開館と同時にマスク姿の鉄道ファンや家族連れが訪れ、館内に3カ月ぶりの笑顔が戻った。

 入り口では入館者に検温と消毒が徹底された。入館券は今まで窓口販売だったが、一度に大勢が訪れるのを防ぐため、枚数制限の事前時間指定に切り替えた。来館者は午前10時~午後2時までの間、5回に分かれて入場し、退場は自由となる。

 初日は再開を待ちわびた鉄道ファンら約20人が午前9時20分ごろから一定の距離を空けて列を作り、開館を待った。

 人気が高いミニ運転列車や車掌シミュレーター、運転士体験教室などの体験型プログラムは、通常の週末では多い時で千人近くが整理券を求めて並ぶという。しかし「3密」を避けるため、当面は中止となった。年間パスポートを持つ大宮区の藤原裕香さん(29)は長男の滉太さん(2)と来館。「子どもが楽しめるミニ電車など一部が利用できず残念だが、久々に来ることができてうれしい」と満足そうに話す。

 メイン展示会場の車両ステーションには36両の実物車両が並ぶ。通常は8両で車内見学できるが、「200系新幹線」や「クハ181特急型電車」など4両は、窓が開かず換気できないため、車内公開が中止となった。越谷市の嶋田智浩さん(38)は長男の浩暉ちゃん(1)らと訪れ、「外からでも実物の電車を間近で見て、迫力がすごい。息子もうれしそう」と笑顔を見せた。

 宮城利久館長(64)は「ようやく再開できてうれしい。体験型展示は制限されるが、館内には鉄道の詳しい解説が多く紹介されている。今までとは違った形で鉄道博物館を楽しんでほしい」と話している。

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