埼玉新聞

 

どうなる?「未来の小学校」 小中学校再編予定の宮代でシンポジウム 「わくわくする学校になれば」

  • 未来の小学校像について話そうと開かれたシンポジウム=24日、埼玉県宮代町立須賀小学校体育館

    未来の小学校像について話そうと開かれたシンポジウム=24日、埼玉県宮代町立須賀小学校体育館

  • 未来の小学校像について話そうと開かれたシンポジウム=24日、埼玉県宮代町立須賀小学校体育館

 小学校の再編に伴い地域拠点の一体的な再整備を進ようと埼玉県宮代町立須賀小学校で、24日、シンポジウムとワークショップが開かれた。全国の先端事例を学び、未来の小学校の在り方が話し合われた。

 町は少子化を背景に町内4小学校、3中学校の再編を進める。町北部にある須賀小学校は公民館や学童保育などと一体的に再整備する計画。昨年度策定した基本構想では、新しい時代に対応した小学校の再整備、地域住民が集まり新たな出会いや活動が生まれる場を創出することなど、方針が示された。

 須賀小学校の前身は、1873(明治6)年に創立した西條学校。150年の歴史を持つ。隣接する須賀中学校は1947(昭和22)年開校、今後3中学校の統合が予定される。学校周辺は東武伊勢崎線和戸駅に近く、商店や住宅が集まり、地域の中心としての機能を持つ。歴史ある地域で、小中学校の再整備が進むことになり、卒業生や地元民からの関心も高い。

 シンポジウムは、地域の拠点とする小学校の再整備に向け、町民参加型で計画を立てるために開催。この日は参加者が、他県の事例を学んだ後、グループに分かれ、地域拠点となる未来の小学校像について語った。

 他県の取り組みでは、愛知県新城市、北海道安平町の事例を紹介。この春開校した安平町立早来小学校は、図書室など学校施設を住民と共有する。同町教育委員会の井内聖さんが、学校施設を夜間も開放、校内でミニコンサートを開くなど、子どもと地域住民が交流する取り組みを紹介した。

 井内さんは共有スペースと学校のみのスペースを顔認証システムで管理したり、施設の利用予約をスマートフォンで簡易にできるようにするなど、施設の機能を説明。新しい学校の在り方に触れ「これからの学校をどういう場にするのか。地域と学校が一緒に未来をつくる。わくわくする学校になれば」と述べた。

 ワークショップは今後12月までに3回開かれる予定。住民の意見を反映させ、町は本年度基本計画を策定、来年度基本設計をまとめ、2027年の学校開設を目指す。

 町は「新しい時代の流れに対応し、子どもたちにとって最良の学習環境を提供することが第一。ワークショップを開き、建物の配置や機能を具体化していく基本計画を策定していきたい」としている。

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