埼玉新聞

 

<新型コロナ>山田うどん、外出自粛に通販強化 来店客伸び悩みも、モツ煮「パンチ」は前年比4倍に

  • 山田食品産業はモツ煮の「パンチ」、辛口モツ煮の「赤パンチ」、「餃子(ギョーザ)」を通販で扱う。巣ごもり消費需要を少しずつ囲い込んでいる(同社提供)

 「ファミリー食堂山田うどん食堂」など運営の山田食品産業(所沢市)の通販商品が、じわじわと注文数を伸ばしている。従来品のモツ煮「パンチ」(500グラム、税込800円)などを販売するが、同商品の3~4月期の販売数は前年同期比で4倍になるなど好調だ。同社の各店舗は新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛要請などを受け、来店客が伸び悩む。通販強化により、店舗に足を運べない「山田ファン」の需要や「巣ごもり消費」の高まりなどを囲い込んでいる。

 通販商品はパンチのほか、3月から店舗メニューで投入のパンチをベースにマーラージャンと数種類の唐辛子をブレンドした辛口タイプのモツ煮「赤パンチ」(500グラム、同900円)、サイドメニューの定番「餃子(ギョーザ)」(30個入り、同800円)。3種とも冷凍品。「赤パンチ」は店舗での注文が好調なことから、4月から通販での扱いも開始。販売数は想定の2倍という。

 両モツ煮商品が好調なことから、長年の定番で以前は通販でも扱っていたギョーザも2日から投入している。昨年秋から開始のスマートフォンアプリなどで周知を促進し、同日の3品合計の注文数は想定の10倍となった。同日以降も1日当たりの総注文数は「少ない時でも200個以上ある」(同社広報担当者)という。

 同社は感染拡大に伴う外出自粛の動きや、テレワークの拡大などを背景にテークアウトの対策を講じ、人気のかき揚げ丼など3品の割り引きキャンペーンを実施。3~4月は前年同期比でテークアウトの利用件数は3倍となっている。ただ、既存店の来店客数と売上高は減り「他社と同様に苦しい環境」(同)と話す。

 一方、小売業のネットスーパーの利用が急伸し、特に冷凍食品など保存可能な商品が伸長するなど、巣ごもり消費が拡大している点を重視。「自社の主力商品の通販で十分に需要を囲い込める」(同)とみて強化を進めた。

 巣ごもり生活を少しでも応援できればとの思いから、3千円(税込)以上の購入者には、全国一律で送料を無料(一部離島を除く)にしている。モツ煮商品は店舗でも販売している。同社は店舗が関東のみだが「通販利用の拡大を、全国の山田ファンと共に新型コロナを乗り越える機会にできればと思う」と話している。

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