埼玉新聞

 

乳児死亡…首に浮き輪着け浴槽に放置、親ゲーム中に脱水状態 容疑で両親を書類送検 不十分な水分補給も認識

  • 蕨署=蕨市錦町

 戸田市で2017年1月、生後11カ月の次女に浮き輪を着けて自宅の浴槽に放置し死亡させたとして、県警捜査1課と蕨署は15日、重過失致死の疑いで、会社員の父親(33)=伊奈町=とパートの母親(36)=川越市=をさいたま地検に書類送検した。いずれも容疑を認め、父親は「携帯型ゲームをやっていて目を離した。自分の自由な時間が確保できて好都合だった」「次女にダイエットさせようと思った」などと供述。母親は「リビングで長女と遊んでいた」と供述しているという。

 書類送検容疑は、17年1月28日午後6時半ごろから約1時間半、当時11カ月の次女が入浴中に監護義務を怠り、首に浮き輪を着けた状態で自宅の浴槽に放置した疑い。次女は脱水状態になり、搬送先の病院で低酸素性脳症により死亡した。

 同課によると、同日午後8時8分ごろ、浴槽で浮き輪が外れてあおむけに浮かんでいる次女を父親が発見。母親が「子どもがお風呂で溺れた」と119番した。湯は次女の脚が着くぐらいの深さだった。

 一家は長女、次女と4人で暮らしていたが、両親は次女が太り気味だと認識し、運動をさせるために16年10月、首に着ける浮き輪を購入。使い始めて1カ月後ぐらいに次女が浴槽でのぼせたことがあったものの、湯の温度調節に注意した上で以降も使用していた。長い時で1~2時間ほど放置することもあった。両親は当日、次女が水分を十分に取っていないことも認識していたという。

 浮き輪は空気を入れて膨らませ、子どもの首に着ける形状のものだった。「必ず大人の保護者が注意しながら使用してください」などと注意事項が記されている。

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