埼玉新聞

 

<新型肺炎>観光客減少の秩父、地元商品の購入イベント 農産物など販売、秩父駅前で助け合いマルシェ

 新型コロナウイルスに負けないように、イベント「コロナに負けるな!助け合いマルシェ」(同実行委員会主催)が24日、秩父市宮側町の秩父鉄道秩父駅前で始まった。休校や行事の中止、観光客の減少により影響を受けている地元業者の商品を購入して盛り上げることが目的。税込み500円のワンコインで、飲食店の特製弁当や農産物などが販売され、にぎわいを見せた。

 新型コロナウイルスの影響で、秩父地域の飲食店や農家は大きな影響を受けている。春の観光シーズンを前に、商店などの経営悪化が懸念されており、今できることをやっていこうと、イベントを開くことに。子どもたちの食事を用意し、保護者の負担を軽減させることも狙っている。

 感染拡大防止のため、会場はアーケード下の屋外とした。調理は行わず、ワンコインのテイクアウト商品のみとすることで、接客時間の短縮を図った。スタッフはマスクを着用し、手洗いなども徹底。来場者にもマスクを着用してもらい、できるだけお釣りのないように準備を呼び掛けた。

 弁当は屋外でチケットを購入し、秩父地場産センター内でチケットと弁当を交換した。イベントのスタート前から30人ほどが並び、用意された約110食の弁当や横瀬町産のイチゴ20パックは30分ほどでほぼ売り切れになった。

 子どもたち5人と訪れた福嶋直美さん(46)、山中朋美さん(43)姉妹は「子どもたちのお昼を毎日用意するのは大変なので、こういう企画はありがたい」と笑顔。市内で飲食店を営む細野かの子さん(52)は「新型コロナウイルスの影響で一気にお客さんが減った時もあったけど、いい気分転換になる」と語った。

 イベントは毎週火曜日の午前10時半から午後2時まで実施予定。同実行委の島田憲一委員長(68)は「予想以上に人が集まったが、皆が個人的に何かをやりたいという気持ちがある。これからはできるだけ混まないように工夫して続けたい」と話していた。

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