埼玉新聞

 

被災地から学び今後に生かす…東日本大震災から学ぶイベント 埼玉県内の学生が企画、鴻巣で16日開催

  • 記者会見で「被災地から何を学び、どう今後に生かし、未来を開いていくのかを考えたい」と語る実行委員長の菅野雄大さん(中央)=7日午後、埼玉県庁

 県内在学・在住の大学生が実行委員を務める東日本大震災啓発イベント「未来をひらく」(県防災学習センター主催)が16日、鴻巣市袋の県防災学習センター「そなーえ」で初開催される。被災者による講演や学生を交えた座談会など行い、被災地や被災者について考える。午前11時開会。参加無料。

 講演会では、元中学国語教諭の佐藤敏郎さんと大学1年生の只野哲也さんが登壇する。佐藤さんは、宮城県石巻市立大川小学校に通っていた当時小学6年生の次女を津波で亡くしている。2011年の東日本大震災当時、大川小の児童だった只野さんは奇跡的に生還。同小では児童ら84人が津波の犠牲になった。

 実行委は、被災者との交流や風化防止などのボランティア活動を行ってきた聖学院、桜美林、立教、立正の4大学の学生9人で昨年秋に発足。実行委員長で聖学院大学4年の菅野雄大さん(22)は宮城県出身で、震災後約1カ月間避難所生活を経験した。

 「語り部」として埼玉県内の高校などで自らの震災体験を紹介している菅野さんは「当事者が話さないと伝わらないと思う。実際に津波の被害に遭った人の話を聞くことで風化はなくなる。イベントを機に、ボランティア活動(への参加)や防災意識を向上してほしい」と話している。

 問い合わせは、県防災学習センター(電話048・549・2313)へ。

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