埼玉新聞

 

あの日、晴れた空から…「秩父に空襲」伝える柿の木 半焼も78年間実付ける 84歳と74歳の姉弟「残し続ける」

  • 焼夷弾で幹の中心部が焼けた柿の木を守り続ける大沢文夫さん(右)と浅見ヌイさん=11日午前、埼玉県秩父市中村町

    焼夷弾で幹の中心部が焼けた柿の木を守り続ける大沢文夫さん(右)と浅見ヌイさん=11日午前、埼玉県秩父市中村町

  • 焼夷弾で幹の中心部が焼けた柿の木を守り続ける大沢文夫さん(右)と浅見ヌイさん=11日午前、埼玉県秩父市中村町

 埼玉県秩父市中村町の地に根付く高さ約5メートルの柿の木。終戦半年前の空襲で幹が半焼して炭化しているが、この78年間、しっかりと青い実を付け続けてきた。戦争被害が少ないとされてきた秩父に残る数少ない爪痕だ。「焼夷(しょうい)弾が落ちたことを証明する唯一の証拠。これからも、この地に残し続けることが自分たちの使命」。所有者の大沢文夫さん(74)と姉の浅見ヌイさん(84)は、柿の木の向こう、かつて爆撃機が通過した青い空を見上げ、戦争のない平和な世界を心から願う。

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