埼玉新聞

 

<新型肺炎>早朝ドラッグストアに並ぶ女性に…男性が無償でマスク譲り立ち去る「温かい気持ちに救われた」

  • <新型肺炎>マスクを無償で譲った男性「感動した」

 新型コロナウイルスの影響でマスクが手に入りにくい状況の中、早朝に店の前で一人並ぶ女性に、通り掛かりの男性がマスクを譲ってくれた。女性は「温かい気持ちに救われた」と感謝している。

 10年前から花粉症に悩まされているふじみ野市の会社員女性(42)は1日午前5時半ごろ、市内のドラッグストア店舗前に並んでいた。常備していたマスクがなくなり、薬局やスーパーなど数十軒訪ねたものの、マスクはどこも品切れになっていたからだ。

 前日も午前6時半に店の前に並んだが、すでに行列ができていた。開店すると、自分の前の人でマスクは品切れに。店から「明日に入荷するかは分からない」と言われたが、わずかな望みにかけて翌日さらに1時間早く並んだ。

 一人で待っていると、散歩中とみられる40~50代の男性から「イベントでもあるのですか」と声を掛けられた。事情を説明すると、男性は「それは大変ですね」と言って立ち去ったが約40分後に戻って来て、「少ないですけど使ってください」とビニール袋を手渡して立ち去った。中には未使用のマスク6枚が入っていた。

 「マスク欲しさにけんかする人もいるご時世に、寒い中をわざわざ戻ってきて自身のを無償で他人に手渡すなんて」と感動した女性は、「市内にこんな素晴らしい人がいることは誇りです。できれば『あの時の温かい気持ちに救われました。心から感謝しております』と伝えたい」と話している。

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