埼玉新聞

 

タレント・町亜聖さんが一日店長 蕨の特産品、復元生産されている木綿PR「双子織を着ましょう」

  • 双子織を着た町亜聖さん(右から2人目)とショップのスタッフたち=25日、蕨市

 JR蕨駅の近く、蕨市中央で同市の特産品を売る店舗「ワラビ・セレクトショップ」で25日、同市PR大使のタレント町亜聖さんが一日店長を務め、かつて明治初期に蕨の特産で、最近、地元商店街の有志や蕨商工会議所の努力で復元生産されているしま模様の木綿「双子織」(ふたごおり)の和服を着て「双子織を着ましょう」とPRした。「双子織を世界へ発信したい」という思いを込めたという。

 同店は蕨商工会議所が音頭を取り発足した一般社団法人蕨ブランド協会が19年10月から運営するアンテナショップで、双子織の生地、双子織を使った小物類や「わらびの蕨もち」など蕨の特産品を展示販売している。毎月25日を「ふたごの日」として、双子織にまつわるさまざまなイベントでPRに取り組んでいる。

 「木綿のカジュアルな感じが気に入ってます。しっくり着れる」と町さん。町さんが選んだ双子織はベージュが基調だが、よく見るとベージュのほかに赤、白、クリーム、空色など多様な経糸(たていと)が使われている。

 店のスタッフの佐々木ゆず花さんの双子織は全体は水色が主だが白、黄色、緑、濃紺が複雑に重なる。同じく斉藤香奈子さんの双子織はピンク、赤、黄色、空色、紫など5色の糸が交差し全体は明るい朱色だ。複数の色を重ねることにより全体の色調が重厚に表現されている。

 店の客として訪れた河野忠義さん(76)は元浦和市開発部長。今は群馬県高崎市に住むが「頑張っている蕨を応援したい。双子織は世界で通用するもんだと思う」と話し、1着3万円(税別)で双子織の和服を注文した。一緒に来た三谷登志雄さん(76)は元蕨市総務部長。「私たちは。現役時代からの親友。一緒に双子織を応援している」という。

【メモ】双子織は江戸末期から明治初期にかけ、蕨で生産された手織り織機による縞木綿。当時、日本に輸入されたイギリス製の細くて丈夫な綿糸や同じく英国で発明された色鮮やかな化学染料を使い生産された。デザイン、品質ともに世界に通用する品物だったことが現代の研究者により明らかにされている。

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