埼玉新聞

 

<新型肺炎>週末の行楽地、入園者少なめ 目立つマスク姿の家族連れ「ずっと家にいるとストレス」

  • 見頃の梅林も通常の週末より花見客は少なかった=29日午後、滑川町山田の国営武蔵丘陵森林公園

  • マスク姿が目に付く運動広場の親子連れ=久喜市の県営権現堂公園

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、県内の小中高校が臨時休校を取り決めてから初めての週末を迎えた。県内各地の行楽地は自粛ムードが反映されたのか、入園者は普段より少なめでマスク姿も目立った。

 滑川町山田の国営武蔵丘陵森林公園は政府の要請を受けて3月15日まで、開催中のムシミュージアムを閉鎖。予定されていた椿コレクションのガイドツアーやハッピー・スプリング・パークなどのイベント中止を決めたほか、レストラン2カ所の営業を中止、屋内の休憩スペースを立ち入り禁止にした。

 約120品種500本の梅林は、下に生えているフクジュソウとともに見頃を迎えている。坂戸市から来た夫妻は「毎年来ているが、今年は花見客も少ない気がする」、公園の職員は「土曜にしては入園者が少ないかもしれない」「先週よりマスク姿の方が多くなった」と話した。

 東松山市岩殿の県こども動物自然公園も、29日から好評の小動物舎「eco(エコ)ハウチュー」や、ビアトリクスポター資料館、森の教室などの屋内施設を閉鎖。乗馬や乳搾り、ペンギンの餌付けなどの体験イベント、園内を巡る「彩ポッポ」の運行も中止した。

 冬季に人気の「カピバラ温泉」は通常、午後2時の開始前から多くの人が集まるが、この日は少なめだった。担当スタッフによると、通常の土曜は1・5倍ほど多いという。

 都内で施設閉鎖やイベント中止が相次ぎ、初めて来たという東京都小平市の親子連れは「(新型ウイルスは)屋外だし、気にならない。子どもと一緒に楽しめた」と話したが、同園のスタッフは「入園者の方には楽しんでもらいたいが、(施設の閉鎖やイベント中止に)申し訳ない気持ちです」と打ち明けた。

 久喜市の県営権現堂公園の多目的運動広場ではマスク姿の家族連れが目立った。

 長女(4)と長男(1)と遊びに来ていた蓮田市の女性(33)は「保育園では通常通り預かってくれるので生活に支障はない。子どもたちの外出自粛を要請していると聞いたが、ずっと家にいると体力が落ちるしストレスもたまる。家庭でできる対策として、マスク着用や手洗いを徹底するしかない」と話す。

 長男(4)を連れて友人らと遊びに来ていた加須市の女性(32)は「主婦なので支障はないが、家にずっといるとストレスになるので、どうやって過ごそうかと思っている。密集した屋内は避け、適度に外に出るつもり」と話していた。

ツイート シェア シェア