埼玉新聞

 

<埼玉県駅伝>一般男子、日本薬科大Aが大会新で2年ぶりV 悲願の箱根駅伝へ、力蓄える

  • 一般男子の部 大会新記録で2年ぶりに優勝した日本薬科大Aの4区中川竜大朗(左)から5区山田直樹へたすきが渡る

 第87回埼玉県駅伝は2日、男子はさいたま新都心駅前、女子は鴻巣駅東口付近から熊谷スポーツ文化公園陸上競技場にゴールするコース(男子=6区間42・195キロ、女子=5区間20・5キロ)で、男女4部門に計108チームが参加して開催された。

 一般男子の部は日本薬科大Aが2時間7分51秒の大会新で2年ぶり3度目の栄冠を獲得。2区今川がトップに3秒差に迫ると3区キプリモが区間賞の走りで先頭へ。アンカー大倉が区間新の好走を見せるなどしてリードを守った。2連覇を目指した武蔵野学院大は2位だった。

■“箱根”意識、進む変革/日本薬科大A

 期待にたがわぬ走りを披露した。一般男子の部は日本薬科大Aが2時間7分51秒の大会新で2年ぶりの王座奪還。

 連覇を狙った武蔵野学院大に1分45秒差をつける快勝劇に、中田監督は「これだけの風の中ではまずまず。予定通りに走ってくれた」と手応えを口にし、最終6区で区間新をマークした大倉も「チーム全員が持っている力を発揮できた結果」と胸を張った。

 1区中山(花咲徳栄高出)が万全ではない中でも中盤から盛り返して2位でつなぐと、2区今川はラスト1・5キロからスパート。区間賞で先頭と3秒差に迫った。こうなれば流れはこっちのものだ。ケニア人留学生の3区キプリモが難なく逆転し、逆に後続に1分48秒差をつけ勝負を決めた。

 創部7年目。学生時代に日体大で箱根駅伝を4度走り、総合優勝も経験している中田監督が就任して2年目。悲願の箱根駅伝本大会出場へチームは着々と力を蓄えている。

 好循環をもたらしている要因について、10000メートルのベストが28分台のキプリモ、中山の両1年生の存在が大きい。

 今川、大倉、山田(聖望学園高出)ら核となる少数精鋭の3年生5人には自覚が芽生え、2年生も練習の中で積極性が出てきた。練習、レースに臨む心構えや食事面など、私生活の見直しもチームの成長を後押ししている。

 大きな目標を達成するのは決して夢物語ではない。

 中山が「もう少し箱根を強く意識して、貪欲にやりたい。もっと選手層も厚く」と力を込めれば、主将の今川も「口だけじゃなくて、結果は数字で示したい」。今年正月に躍進した東京国際大のように、この県駅伝から箱根路に巣立っていく黄色のユニホームに期待したい。

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