埼玉新聞

 

子ども食堂、無料塾など「子ども居場所」サイト公開へ 居場所800カ所目標へ取り組む人マッチング欄も

  • 県庁=さいたま市浦和区高砂

 県は28日、子ども食堂など子どもの居場所づくり専用のポータルサイトを立ち上げ、2月3日から公開すると発表した。ポータルサイトに掲載する子どもの居場所は子ども食堂や無料塾、プレイパーク(遊び場)などで、県内に323カ所(2019年8月現在)ある。大野元裕知事は同日の定例会見で「子どもが歩いて行ける範囲に一つあるのが理想」と語り、県内小学校区と同数の800カ所を目標に居場所づくりを支援していく考えを示した。

 ポータルサイトには検索機能や活動内容の紹介付きの子どもの居場所マップ、居場所づくりに取り組みたい人が場所や仲間を募るマッチングページなどが設けられる。さらに、県が事務局を担う「こども応援ネットワーク埼玉」を通じてマッチングに成功した過去の事例なども紹介する。

 県少子政策課は「これまでは同ネットワークのフェイスブック上に手作業で入力していたため、マッチングに時間がかかった」と説明。サイトでは時間がたってもマッチング情報を手軽に調べられるため、最新情報を発信するフェイスブックとの「役割分担を進める」としている。

 大野知事は会見で「子ども食堂は大人や子ども、障害者も集える地域共生社会の拠点となりうる」と主張。ただし「市町村の意識に温度差があり、活動する人が困難を感じる場合がある」と指摘。市町村や関係部局などと普及啓発に力を入れ、地域的偏りが生じないよう支援していく考え。

 県では昨年6月以来、子どもの居場所づくりアドバイザーの派遣や子ども食堂応援基金の開設などを支援してきた。ひとり親家庭に食料を無料で提供する「子育て支援フードパントリー」も活発化。パントリーの県内施設数は昨年1月の3カ所から13カ所にまで増え、開設予定を含めると28カ所に上る。同課は「ひとり親の中には子ども食堂などを知らず警戒する人がいるが、パントリーでの交流がきっかけで利用につながることがある」と話し、居場所づくりの上で重要との見方を示した。

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