埼玉新聞

 

さいたま国際マラソン、次回開催見送り 市民マラソンとして大会継続へ協議 日本陸連「サポートする」

  • 一斉にスタートするフルマラソン一般男女の部=昨年12月8日午前9時40分、さいたま市中央区

 日本陸連は27日、県やさいたま市などとの主催で、五輪や世界選手権の女子マラソン代表選考会として実施されてきたさいたま国際マラソンについて、12月に予定されていた次回大会を開催しないと正式に発表した。2021年以降も代表選考会としては行わないが、市民マラソンとしての継続は主催者で検討していくとしている。

 さいたま国際マラソンは、1979年に始まった東京国際女子マラソン、その後継大会で09年から行われた横浜国際女子マラソンを受け継ぎ、15年に第1回大会をさいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナを発着点とするコースで開催。昨年12月に行われた第5回大会には「女子チャレンジャーの部」ほか、フルマラソン「一般男女の部」などに市民ランナーら約1万6千人が参加した。ただ、時期が全日本実業団対抗女子駅伝と近いこと、コースの起伏が多く好記録が出にくいことなどから、有力選手の出場が少なかった。

 日本陸連は開催見送りの理由として、コース変更を3度にわたって行うなどの努力を重ねたが、国内外の有力選手の出場に結び付かなかったことを挙げている。

 開催見送りについて、さいたま市の清水勇人市長は「世界のトップランナーによる一流の走りを間近に体験でき、市民がスポーツに興味、関心を持つきっかけづくりとなる象徴的な大会。広く市民に楽しんでいただける大会の開催に向け、主催者や関係機関と継続して協議する」とコメントした。

 大野元裕知事は「世界を目指す女子アスリートの登竜門であり、多くのランナーに愛されてきたさいたま国際マラソンが20年度に開催されないこととなったのは誠に残念。本大会が日本のマラソン競技、とりわけ女子部門の強化、拡大に果たした役割は大変大きい」とした。

 日本陸連の横川浩会長は「今後も埼玉県内唯一の公認競技会マラソンとして、一般の部が継続できるようサポートする」としている。

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