埼玉新聞

 

ラグビートップリーグ・パナソニックワイルドナイツ、熊谷に本拠地移転へ 県や市は歓迎、太田市「寂しい」

  • 県営熊谷ラグビー場の“こけら落とし”の記念試合で対戦したパナソニックワイルドナイツとキヤノンイーグルス=昨年10月20日、熊谷市上川上

 ラグビートップリーグのパナソニックワイルドナイツが、群馬県太田市から利根川を挟んだ熊谷市に本拠地を移すことが5日、太田市などへの取材で分かった。今年9~10月に行われるラグビーワールドカップ(W杯)日本大会終了後、試合会場の一つとなる県営熊谷ラグビー場(同市上川上)に練習場を移転する見通し。県や市はまだ正式な打診を受けていないとしつつも、「トップリーグの強豪が来てくれるのはありがたい。W杯に向けて大きな弾みになる」と歓迎している。

 パナソニックワイルドナイツは1960年に東京三洋電機ラグビー部として創設された。2011年に現在のチーム名に改称。トップリーグで4度、日本選手権で5度優勝している名門だ。太田市龍舞町にクラブハウスを併設した練習場を有している。

 チームには熊谷市出身の山沢拓也選手をはじめ、県北地域出身の選手が数人在籍している。17年からは熊谷ラグビー場でもホームゲームを開催しているほか、W杯の機運醸成に向けたイベントなどにも協力しており、埼玉とのつながりは深い。

 太田市によると、チーム関係者が1日に市役所を訪れ、清水聖義市長に熊谷移転の意思を伝えた。市文化スポーツ総務課は「ホームゲームで3~4千人が観戦する集客力のあるチーム。移転するのは寂しい」と話した。

 一方、パナソニックワイルドナイツの広報担当者は埼玉新聞の取材に「日々さまざまな検討をしており、本拠地移転に関して決定した事実はない」と述べるにとどめた。

 熊谷ラグビー場は昨年8月末に大規模改修工事を終えたラグビー専用スタジアム。座席数は2万4千席で密度の高い夏芝を採用し、大型映像装置や夜間照明設備を新設した。毎年3~4月、全国高校選抜大会が開かれるなど、西の「花園」に対し、東の「熊谷」として知られる。

 今秋のW杯では、アメリカ対アルゼンチンなど3試合が予定されている。昨年10月20日に改装後の“こけら落とし”記念試合が行われ、パナソニックワイルドナイツとキヤノンイーグルスが対戦し、約1万4千人の観客を集めた。

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