埼玉新聞

 

警察犬、行方不明の中学生を発見 靴を頼りに追跡、捜索開始から1時間で解決 朝霞署が感謝状

  • 米山和仁署長(左端)から感謝状を贈呈された警察犬指導士の羽鳥文仁さん(中央)とオーナーの荒木和雄さん。前列は警察犬のマリーナ・フォン・レーベン号=朝霞署

 自宅から行方不明になった中学生を警察犬の追跡捜査により早期発見したとして、朝霞署はさいたま市浦和区の浦和第一警察犬訓練所の次席で、指導士の羽鳥文仁さん(40)と警察犬のオーナーで同市緑区の写真店経営荒木和雄さん(67)に感謝状を贈呈した。

 同署と羽鳥さんによると、昨年10月16日午後6時20分ごろ、朝霞市の市立中学3年男子生徒が自宅から行方不明となった。約10分後、母親から「勉強のことで叱責(しっせき)したら家を飛び出した」と同署に捜索願いが出された。県警から出動要請を受けた羽鳥さんは同訓練所の警察犬マリーナ・フォン・レーベン号(シェパードで8歳の雌)とともに現場に急行。男子生徒の靴を頼りにマリーナ号で追跡したところ、同日午後11時ごろ、自宅から約900メートル離れた河川敷のベンチにいるのを発見した。捜索開始から約1時間の早期解決だった。

 同訓練所は羽鳥さんの父親が所長を務め、親子2人が警察犬の訓練指導を行う。捜索活動に絡み、羽鳥さんがこれまでに県警から感謝状を贈呈されたのは行方不明17回、事件10回の計27回。荒木さんは羽鳥さんの父親と知人だったことから、羽鳥さんからマリーナ号の譲渡を受け、同所に預けたという。

 署長から感謝状を受け取った羽鳥さんは「非常勤公務員として警察業務に携われることに感謝している。県警の感謝状は活動の証しであり、指導士として認められたということだと思う。非常にありがたい」、荒木さんは「皆さんのお役に立てて大変うれしい」と喜んでいた。

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