埼玉新聞

 

埼玉の医師数1万2928人 人口10万人当たりでは全国最少 医師呼び込む施策、県が予算計上へ

  • 埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 2018年末の医師の総数は32万7210人で過去最多を更新したことが19日、厚生労働省が発表した「医師・歯科医師・薬剤師統計」で分かった。調査は2年ごとに実施され、前回比で2・4%(7730人)増だった。医師不足の解消に向けた医学部定員の臨時増などが背景にあるという。

 歯科医と薬剤師数も過去最多を更新した。

 2018年の統計によると、埼玉の医師数は1万2928人、歯科医は5358人、薬剤師は1万5793人。一方で人口10万人当たりの医師数は全国最少となった。

 県医療人材課は「他県と違い人口が増えている埼玉は不利で、人口10万人当たりの医師数は地域偏在の指標とはならない」と指摘。一方で、同統計を基にした県の集計では「14~16年の2年間で医師の増加数は全国3位、16~18年の増加数は全国2位となり、着実に医師数が増えている」と説明した。

 県では、医師確保を目的として09年に医師会に委託し、県女性医師支援センターを開設。これまでに出産後の女性医師ら24人が職場復帰したという。また、10年から始めた県医師育成奨学金を受けた30人が研修医として県内の医療機関に従事している。

 同課は「県内の医学生のうち約2割が県外に流出していることが判明したので、今後より多くの研修医に県内にとどまってもらい、また県外の医師を呼び込むための施策を新年度予算に計上する方向だ」と話した。

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