埼玉新聞

 

オオハクチョウ3羽、鴻巣小谷に飛来 無農薬で米作る田んぼに4年連続 NPO、温かく見守ってと呼び掛け

  • 冬水田んぼに飛来したオオハクチョウの親子=18日正午ごろ、鴻巣市小谷

 鴻巣市のNPO法人鴻巣こうのとりを育む会(伊藤鋳義代表理事)が管理を協力する同市小谷の冬水田んぼに、この冬もシベリアからオオハクチョウが飛来し、話題になっている。飛来は4年連続。会では「温かく見守って」と呼び掛けている。

 飛来地は、同市小谷の約1ヘクタールの冬水田んぼ。無農薬で県奨励品種米の「彩のきずな」を作っている田んぼで、冬も水深15センチほどに保っている。生き物が暮らす環境を育むビオトープも備えている。

 近くに住む同会副代表理事の福田悟さん(72)は「10日朝、待望のオオハクチョウ3羽が飛来した。真っ白な親鳥が2羽、やや灰色の幼鳥が1羽だった。この冬も来てくれて、ほっとしている」とうれしそうに話した。

 オオハクチョウは家族単位で行動する。冬水田んぼにはオオハクチョウが喜ぶ稲の株も多少残している。マコモの根やオモダカの根なども好んで食べる。水中で泳いだり、あぜで日光浴したりしている。水のない田んぼでは落ち穂などを食べている。

 会では7年前から冬水田んぼを実施している。オオハクチョウは4年目から飛来するようになった。昨年9月には近くの明用の田園地帯に国の天然記念物で絶滅危惧種のコウノトリが飛来し、会のメンバーや市民を驚かせている。

 福田さんは「昨年12月に飛来してくれたオオハクチョウは今年の2月26日までいた。なので、来年の2月末までは滞在してくれると思う。もっと家族が増えるとうれしい。栄養をつけて、またシベリアまでの長旅を乗り切ってほしい」と期待を寄せている。

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