埼玉新聞

 

「死にたい」…20代男性を76歳が保護 雨の林道、うつむき歩く若者 諭し励まし駐在所へ 小川署が感謝状

  • 及川直美署長から感謝状を受け取った岩瀬登志男さん(左)=埼玉県警小川署(同署提供)

    及川直美署長から感謝状を受け取った岩瀬登志男さん(左)=埼玉県警小川署(同署提供)

  • 及川直美署長から感謝状を受け取った岩瀬登志男さん(左)=埼玉県警小川署(同署提供)

 暗い林道をさまよう20代男性を保護するなど人命を救助したとして、埼玉県警小川署は、ときがわ町の農業、岩瀬登志男さん(76)に感謝状を贈った。

 同署によると、岩瀬さんは5月22日午後7時50分ごろ、ときがわ町大野地内の林道で傘を差さずに雨に濡れながらうつむいて歩いている男性を発見。自身の車に乗せ、西平駐在所まで送り届けた。

 林道は外灯もなく真っ暗で岩瀬さんは男性が足を負傷していて、靴が相当傷んでいたことを心配して声をかけた。岩瀬さんは「死にたい」と話す男性を車中で諭して、励ましながら駐在所に向かったという。男性は行田市居住で、家族から警察に行方不明届が出されていた。保護された場所まで、市内から歩いてきたとみられている。

 岩瀬さんは「あの日は雨が降っていて寒く、放っておいたら低体温症になっていたかもしれないので、声をかけて良かった。若者なので、これから頑張ってほしい」とエールを送った。同署の及川直美署長は「若者の尊い命を救っていただき感謝しています」と功労をたたえた。

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