埼玉新聞

 

意識失った妻、夫パニック…偶然近くにいた女性看護師が救う 名前聞けず看護師が立ち去る「お礼伝えたい」

  • 意識を失った高橋幸子さんに通り掛かった女性が心臓マッサージの救命措置をした久喜市の路上

 7日午前10時半ごろ、久喜市本町6丁目の道路脇で、車に乗車中、突然意識を失った栃木県鹿沼市の高橋幸子さん(62)に、通り掛かりの女性が救命措置を行い、一命を取り留めることができた。救急車に同乗して名前を聞くことができなかった夫の久さん(69)は、妻を救ってくれた看護師を名乗った女性に「お礼の気持ちをどうしても伝えたい」と埼玉新聞に話を寄せた。

 久さんと幸子さん夫妻は7日、車で自宅から家族と待ち合わせをしていた久喜駅に向かっていた。久さんは久喜駅まで1キロほどの地点で、助手席に座っていた幸子さんの異変に気付いた。

 場所はさいたま栗橋線と呼ばれる県道3号から久喜駅前に向かう目抜き通り。久さんは慌てて道路脇の衣料品店の前で車を止めたが、幸子さんの意識は戻らず、揺すってもそのままぐったりしている。

 久さんは急いで119番した。電話口からは「救急車が到着するまで心臓マッサージをしてください」と言われたが、どうしていいか分からない。「パニックで頭が真っ白だった」(久さん)。

 そんな時、ドアの開いた車の脇で動転している久さんの様子に気付いて、近くにいた母娘とみられる女性2人が近づいてきた。娘とみられる30代くらいの女性が「私、看護師なのでやります」と心臓マッサージを行い、救急車が来るまで救命措置を続けた。

 救急車が到着して、幸子さんは市内の病院に搬送されることに。久さんは乗ってきた車を店の駐車場に止めさせてもらい、救急車に同乗した。右往左往しているうちに、女性たちの名前を聞くことができないまま2人は立ち去ってしまった。

 搬送された幸子さんは病院で治療を受け容体も安定、その日のうちに帰宅することができた。その後も以前の状態にまで回復した。救急隊員や医師からは「直後の措置が適切だった」と言われた。

 当時のことを思い出すたびに、久さんは妻の命を救ってくれた女性への感謝の気持ちが込み上げる。「現地で名前を聞けなかったが、お礼を伝えたい。本当にありがとうございました」と埼玉新聞に語った。

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