埼玉新聞

 

通行止め12キロ…寸断した道路を整備、8月から開放 昨年9月に土砂崩落 キャンプ場も営業再開に向け準備へ

  • 土砂崩落現場を視察する大野知事ら=2022年9月13日午後2時ごろ、秩父市中津川地内

    土砂崩落現場を視察する大野知事ら=2022年9月13日午後2時ごろ、秩父市中津川地内

  • 土砂崩落現場を視察する大野知事ら=2022年9月13日午後2時ごろ、秩父市中津川地内

 昨年9月に埼玉県秩父市中津川地区で発生した土砂崩落で、県秩父県土整備事務所は16日、住民説明会を開き、寸断した県道210号(中津川三峰口停車場線)を、通行者を限定しない片側交互道路として、8月1日から開放する方針を示した。

 土砂崩落は昨年9月13日朝に発生。県道に設置された落石防止用構造物「大滑ロックシェッド」の上部斜面で、約160メートルの高さから、約1万8千立方メートルの土砂が流れ下った。現在も約12キロにわたり通行止めが続いている。

 今は林道「金山志賀坂線」が住民唯一の生活道路になっているが、凍結などで通行が困難になった冬期は地区住民計19世帯23人のうち、13世帯17人が市営住宅などに避難した。16日までに6世帯8人の避難者が中津川の自宅に戻っている。

 説明会は中津川集会所で行われ、集落2地区(中津川・中双里)の住民ら10人が参加。秩父県土事務所によると、7月末までに、落石を防ぐための設備「仮設門型防護工」を、ロックシェッドに延長する形で設け、幅約6メートルの道路を確保する。8月以降はロックシェッド上の土砂撤去作業や崩落斜面の恒久対策を進める。

 説明会に参加した中津川の山中新一区長(65)は「交通開放の日程が定まり、ほっとした。一般の方も通行できるようになるので、親戚や知人が気軽に来られるようになるし、収入源が絶たれていたキャンプ場経営者らも営業再開に向けて準備できる」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
 

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