埼玉新聞

 

浦和・森脇、思い出は「ファン感謝祭」 別れ惜しむサポ1人1人に丁寧にあいさつ 心のうち明かす

  • ボールを奪いに行く浦和の森脇(中央)=4日午前、大原サッカー場

 浦和は7日、ホーム最終戦でG大阪と対戦する(14時・埼玉)。試合を3日後に控えたチームは4日、大原サッカー場で約1時間半の全体練習を実施。3日に退団が発表された森脇は「望んだ結果ではないが、受け入れるしかなかった。このクラブでまさか7年間プレーできると思っていなかったので、感謝の気持ちしかない」と心のうちを明かした。

 けがに苦しんだ昨季から出場機会が減ったものの、ピッチで"違い"を生み出せる数少ない存在であることは疑いようがない。4日に行われた11対11の戦術練習では3バックの右に入り、視野の広さが際立つ縦パスで興梠の得点を演出した。

 「単に世代交代と言われるのは正直歯がゆい。現役を続ける限り、まだまだ負けていないという思いを抱きながらプレーしたい」と目を輝かせる33歳のベテランは、向上心の塊だ。ある日の居残り練習では、年下の長沢から背走しながらの守備を学ぶ姿も見られた。

 「何も残すことができなかった」と自己評価は厳しいが、経験豊富な背番号46にチームは何度も救われた。3月のFC東京戦、6月の川崎戦で、いずれも試合終了間際に劇的な同点ゴール。二つの引き分けで得た勝ち点2がなければ、より厳しい状況で最終戦を迎えることになっただろう。

 浦和での印象深い思い出を問われると、「毎日が刺激的で、全ての時間がかけがえのないものだった」ときっぱり。ひとしきり考え込んだ後に、「ファン感謝祭かな。普段応援してくれる皆さんと時間を共有できた」と笑顔で回想した。

 今季最後の公開練習に駆け付け、別れを惜しむサポーター一人一人にも丁寧にあいさつ。「どこに行っても常に心の中にある存在」とチーム愛をにじませる。正真正銘の浦和での最後の一戦へ、「絶対に勝って終わりたい」と拳を握った。

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