埼玉新聞

 

<ランチ>自慢の「海の幸どんぶり」、川口・茶色の小びん 駅から5分 食事も提供するアートギャラリー

  • 海の幸どんぶり(1080円)

  • 「手を抜かない、手作りが基本」と語る店主兼シェフの岡田治美さん

 川口駅西口から徒歩で5、6分。西公民館の隣にある「茶色の小びん」はアートギャラリーであるが、食事も提供する。「開店以来20年間、毎日欠かさずだしを作るのが私のこだわり」と、店主の岡田治美さん。

 マグロやイカの刺し身は、豊洲の魚河岸の仲買「樋長」から直送で、鮮度と味を保証する。コンブを切り、鍋の水に30分浸す。火を付けて沸騰したらコンブを取り出す。かつお節を入れて2、3分、沸騰したらざるでこす。こうしてだしを作る。「手作りにこだわる。ケーキも自分でつくる。おいしいもののために、手を抜きません」

 店はれっきとしたギャラリーで、絵画や写真、手芸作品を飾り、ジャズライブもやる。取材の日も、店内の壁には大好きな市内の女流洋画家の絵が並んでいた。浦和から県立蕨高校へ通った高校生時代に「かわいいお店を持ちたい」と、ほのかな夢を見た。窓には白い薄地のカーテンと決めていた。

 鋳物工場に納めるコークスを販売する夫と結婚。子育てが終わって乙女時代の夢をかなえた。新婚の夫と見た映画「グレンミラー物語」に泣いて、店の名前は2人で「茶色の小びん」に決めた。「この店を川口の街の文化の発信基地にしたい」。

 自慢の一品は「海の幸どんぶり」(1080円)。真ん中手前の皿の透き通るような赤身が美しいマグロ、白いイカ、オオバの上に納豆とタクワンの薄切りが乗る。これをはしでかき混ぜて、どんぶりのご飯の上に乗せる。食べ方はお客さんの自由なのだ。

■茶色の小びん

 川口市飯塚2の4の1(電話048・252・0500)午前11時~午後6時。

ツイート シェア シェア