埼玉新聞

 

ホーム転落や列車との接触防止に 視覚障害者へのサポート、入間で講習会 見掛けたら「まず声掛けて」

  • アイマスクをして、実際に駅のホームを歩く体験が行われた=15日午後、入間市仏子の西武池袋線仏子駅

 視覚障害者が駅ホームからの転落や列車との接触事故に遭わないようにするため、積極的に声掛けを行ってもらおうと、入間市と飯能市は15日、入間市仏子の市立図書館西武分館と西武池袋線仏子駅で「駅ホーム声かけサポート講習会」を開催した。

 県内では、2017年1月に蕨市の京浜東北線蕨駅で視覚障害者の男性がホームから転落し、電車と接触して死亡する事故が発生している。現在県内の駅ではホームドアの設置が進むが数は少なく、転落事故などを防ぐためには視覚障害者への積極的な声掛けが重要となることから、県との共催で講習会が行われた。

 講習会には公募で集まった市民ら約30人が参加。講義では、交通エコロジー・モビリティ財団バリアフリー推進部の沢田大輔さんが声掛けの方法などを解説。「まず声を掛けて、ガイドが必要か確認し、どのような方法が良いかを本人に確認することが重要」と説明した。

 続いて県視覚障害者福祉協会理事で、自らも視覚障害のある岡村淳子さんが「私たちは駅のホームでとても緊張して歩いている。視覚障害者は駅での優しい声掛けを待っているので、見掛けたら優しく声を掛けてください」と呼び掛けた。

 講義後は西武池袋線の仏子駅へ移動し、実際に電車が発着するホームでの体験会が行われた。参加者は2人一組で介助者役と視覚障害者役に分かれ、駅のホームを歩いた。アイマスクをした参加者は介助役の腕につかまりながらホームを歩き、声掛けの大切さや点字ブロックの形状などを確認していた。

 講習会に参加した入間市の主婦川島理枝子さん(65)は「アイマスクをしてホームを歩いたら電車がすぐそばにいることを視覚以外の五感で感じた。実際に声を掛けることは難しいが、参考になった。何かお手伝いできることがあればやっていきたい」と話してた。

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