埼玉新聞

 

<大雨>東松山、坂戸で一時避難 被災住民ら「不安」「また浸水したら…」「心配で早めに避難した」

  • 大雨で水位が上昇した大谷川=25日午後4時半ごろ、坂戸市東坂戸

 低気圧に暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で25日、県内でも大雨となった。台風19号の記録的な大雨で、大規模な浸水被害が出ている東松山市は25日午後3時5分、都幾川や越辺川が「氾濫危険水位」に達したため避難勧告を発令した。坂戸市でも午後3時10分に避難勧告を発令。避難生活を送る住民は「不安です」と話した。

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 東松山市の避難対象地区は高坂、唐子、野本の3地区、計6627世帯。開設中の野本コミュニティセンターなど4カ所に加え、高坂、野本、桜山の各小学校と唐子地区体育館の4カ所に避難所を新たに開設。午後7時現在、約80世帯、約250人が一時避難している。

 野本小学校に避難した女性(66)は6人暮らし。台風19号で自宅が床下浸水し、孫3人と一緒に来た。「この前のようにはならないと思うが怖いので早めに避難してきた。しばらく様子を見たいと思う」

 60代の夫婦は3人暮らし。台風19号では浸水被害はなかったが周囲の道路や、田んぼが冠水した。「この前は甘く見ていた。心配なので早めに避難してきた」という。

 早俣地区の自宅が床上浸水し、13日から家族4人で避難所生活を送っている女性(42)はこの日、自宅の片付けを休んだ。「雨が心配です。せっかく、仲間やボランティアの人たちにきれいにしてもらったのに、また泥水が家に浸水したら…。不安です」

 一方、台風19号で大規模な浸水被害が発生した坂戸市でも、越辺川の同市入西付近で水位が上昇し、避難勧告の目安となる氾濫危険水位に達した。市は午後3時10分に越辺川周辺の紺屋、横沼、小沼、中小坂、東坂戸1・2丁目地区に避難勧告を発令した。

 新たに三芳野小学校と住吉中学校に避難所を設置し、三芳野公民館を含め、午後4時半現在で計87人が避難した。

 台風19号に伴う大雨で氾濫し、県営坂戸東坂戸住宅(同市東坂戸)に浸水被害をもたらした大谷川は午後4時半ごろ、濁った水が流れを増し、地面からあと1メートルほどまで水位が上昇した。

 同団地4階に暮らす70代の男性は「台風19号のこともあり、車を高台に移動させた。断水に備え、水をポリタンクにためている」と話した。

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