さいたま市は、中央区役所周辺の公共施設再編基本計画を策定した。老朽化している中央区役所周辺の公共施設の集約と複合化による再編を図り、公共サービスの質の向上、日々の生活や地域活動などで利便性の高い中心拠点の形成を目指す方針。新たな活力を呼び込むため、公共機能との相乗効果が期待できる民間機能を誘導するとしている。

　基本計画と市まちづくり総務課によると、事業区域は道路を挟む市有地3万平方メートル。再編対象となる公共施設は、中央区下落合の事業区域内に位置する5施設（中央区役所の本館・別館、与野図書館、老人福祉センターいこい荘、下落合プール、西谷公園）。事業区域に近接する3施設（産業文化センター、下落合公民館、向原児童センター）。1968年建築の中央区役所本館など公共施設は、いずれも築約40年を経過している。

　区役所本館のある西側街区を公共エリアと設定。区役所新庁舎は西側街区の南側に位置する旧中央消防署の跡地などに建設する方針。プールなど主に市民の健康増進の機能を有する施設、民間機能を誘導するエリアは東側街区を想定している。整備する公共施設は新庁舎のほか、図書館などの複合施設、プールなどの複合施設を検討している。

　市民の憩い・くつろぎ、交流・活動の場となる共用空間として、公園や広場、カフェなどを設置。地震や水害など災害への対応、DX（デジタルトランスフォーメーション）の推進、脱炭素化で再生可能エネルギーの活用にエリア全体として取り組む方針を示している。

　施設整備費は少なくとも約165億円、解体工事費は約8億円（いずれも税別）を想定。2023年～25年度にかけて、事業を実施する民間事業者を公募、選定。26年度に基本設計、実施設計、27～31年度に公共施設全体の整備を終えることを目指す。

　基本計画は市ホームページで公開し、各区役所情報公開コーナーで、パブリックコメントの結果と併せて閲覧できる。パブコメでは、「（区役所の）各課とも市民の相談窓口を充実させ、プライバシーが保てる相談室を多数用意すること」「駐車場を大幅に増やし、駐車料金は無料を維持すべき」「いこい荘に行きたい高齢者の交通手段をどう考えているのか」などの意見が寄せらている。