埼玉新聞

 

<高校野球>県勢戦力分析 花咲徳栄は強力打線に注目 浦和学院を1失点で封じたエース高森の負担軽減を

  • 打率の高さと長打力を併せ持つ花咲徳栄の1番南

 来春の第92回選抜高校野球大会への最終関門となる第72回秋季関東高校野球大会は19日、群馬県の上毛新聞敷島球場と高崎城南球場で開幕し、関東7県15校の代表が熱戦を繰り広げる。

 埼玉からは、秋季県大会で2年ぶり6度目の優勝を飾り、2年ぶり13度目出場の花咲徳栄と、同準優勝で23年ぶり4度目出場の西武台の2校が代表となり、両校とも20日に初戦を迎える。

 花咲徳栄は4年ぶり5度目の選抜大会出場と今夏に続く2季連続の甲子園を目指し、千葉2位の拓大紅陵と、32年ぶりの選抜出場を狙う西武台は栃木1位の青藍泰斗と対戦する。関東の強豪校としのぎを削る両校の戦力を分析した。

■4強入りへ投打盤石/花咲徳栄

 投打にバランスが取れた戦力で、2年ぶり13度目の出場を果たした。県大会準決勝の浦和学院戦で九回に追い付き、延長十回に勝ち越すなど勝負強さも兼ね備える。

 初戦は拓大紅陵、準々決勝は山梨学院(山梨1位)―文星芸大付(栃木2位)の勝者と対戦。楽な相手ではないが、4年ぶり5度目の選抜大会出場へ期待が膨らむ。

 注目すべきは、7試合でチーム打率3割9分7厘の打線だ。逆方向のスタンドまで運ぶパワーを持つ強打者の4番井上や、打率5割以上の2番浜岡と3番田村ら好巧打者もそろう。

 打率4割ちょうどの1番南のチャンスメークから一気に畳み掛ける攻撃力は近年のチームと比べても遜色(そんしょく)ない。6番渡壁、7番栗島からもつながり、打線に切れ目がない。

 エース高森は球のキレで勝負する好左腕。県大会準々決勝で六回コールド勝ちした聖望学園戦は、6回を被安打3で封じた。準決勝の浦和学院戦は7安打を浴びながらも1失点と粘り強く投げた。2番手以降も鈴木、須田の両右腕が防御率1点台と磐石。連戦となるだけに、エースの負担軽減を図りたい。

 守備陣は4失策を記録したが、基本的には堅い。打球への反応が速い遊撃手田村や、際どい打球に飛び付いて好捕する右翼手井上を筆頭に内、外野ともに鍛えられていて隙は少ない。

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