埼玉新聞

 

そごう川口店の閉鎖に衝撃、店長「断腸の思い」…21年2月に閉店へ 大規模再開発も始まりショック

  • 17カ月後の閉店が決まったそごう川口店(川口市提供)

 セブン&アイ・ホールディングスは10日、そごう・西武やイトーヨーカ堂などグループ各社のリストラ策を公表した。そごう・西武で、そごう川口店(川口市)など5店舗を閉鎖、2店舗を縮小するほか、イトーヨーカ堂は全国33店舗を整理対象とする。

 2社合わせて約3千人を削減する見通しで、百貨店や総合スーパーの経営不振が改めて示された形だ。

■「青天のへきれき」地元に衝撃

 そごう川口店撤退というニュースに地元川口市のショックは大きかった。「青天のへきれきだ」と川口商工会議所の鈴木茂三専務は言う。奥ノ木信夫市長は「川口の繁栄の象徴の一つを失う。市の英知を集めて乗り切るしかない」と語った。

 そごうに隣接する銀座通り商店街の大規模再開発が始まり、解体工事が今年始まったばかりだけに、地元の落胆は大きい。

 この日午後4時すぎ、そごう・西武本社の森田岳史常務・営業本部長と船場俊行店長らが前触れもなく突然、商議所を訪問。「断腸の思いだが、本社の決定なので」と2021年2月の閉店を商議所幹部に報告した。

 鈴木さんによると、同店は1991年10月に開店した。同商議所など地元にとっては川口駅東口の再開発事情の中核として位置づけられた開店だった。

 そごう側も全国で30番目の開業。世界のブランドをそろえ、東京の都心に対抗する店づくりを展開する、と意気込みを見せていた。10階の飲食店街も銀座の一流店が看板になった。

 しかし、その後、百貨店業界を取り巻く環境は激変した。そごうも09年には、セブン&アイホールディングス傘下に。

 鈴木さんは「経営が変わり、一時そごう川口店に危険信号がともった時があったが、その時は地元商店街が『頑張れ』と応援したこともあった。しかし、情でどうにかなる問題ではなかったということだろう。同店の赤字はピークの半分という厳しい現実だったようだ。しかし、撤退は青天のへきれき。残念だ」と話す。

 奥ノ木市長も「そごう川口店は川口の景気の盛衰を象徴するものの一つ。市としてもさまざまな形で応援してきたので、撤退は残念としか言いようがない」と話した。

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