埼玉新聞

 

外はカリッ、中はもちもち 子育てママなどに評判 人気の英国のパンケーキ、幸手の製粉会社が商品化

  • 表面のプツプツにバターが染み込むクランペット

  • 人気のミックス粉を紹介する入江三臣社長

 ユニークな商品開発で売り上げを伸ばしている幸手市の製粉会社前田食品(同南1丁目)は、英国のパンケーキ「クランペット」を商品化。健康・安全に配慮し、手軽に調理できる上、子どもが、おいしく食べることができると人気を集めている。

 「外はカリッ、中はもちもちとした食感」―。近年流行のフレーズを形にしたかのような「クランペット」。英国で日常的に食べられるパンケーキだ。商品を説明する入江三臣社長は「はじめて聞いたときはトランペット?と聞き直したくらい」と笑顔で話す。

 プツプツと開いた表面の穴に蜂蜜やシロップ、バターが溶け込み、おやつや軽食にぴったりの逸品だ。国産小麦、国産天然酵母、種子島の粗糖、岩塩を使用。素材と安全性に配慮した。オンラインショップで税込み送料無料1200円(200グラム×3袋)で販売している。

 同社はこの春、アルミフリーの「パンケーキミックス」とともに「クランペットミックス」を発売。オンラインショップ「こだわり粉屋の粉おじさん」が商品を紹介、ネット上の動画で調理の仕方を解説するなど、工夫を凝らした。

 商品はSNSを通じて食材やアレルギーを気にする子育てママなどの間で評判に。一時は生産が追い付かないほど、注文が殺到したという。

 外国産の輸入に圧倒される小麦。とりわけ国内大手製粉会社の価格競争は熾烈(しれつ)。同社は県産小麦の開発や地産地消に注力。健康・安全性に配慮した商品を生産し、独自のマーケットを切り開く。入江社長は「大手と同じことをやっても負ける。小さい企業ならではの特徴が必要」と意気込みを見せている。

 試しにインターネットで「クランペットミックス」を購入。動画とレシピを見ながら調理に挑んだ。牛乳300ccをレンジで温め、1袋200グラムの粉と混ぜ30分ほど発酵。生地を焼き始めると表面にプツプツが。1袋で7枚作ることができた。子どももペロッと平らげた。

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