【連載】埼玉発・企業トップが語る成長戦略 ドリテック・金田紀幸社長〈後編〉 IPビジネスとEC軸に成長へ 2027年1月米国アマゾン進出
計測機器の技術を礎に、メディカル事業やIP(知的財産)ビジネスなどへ領域を広げるドリテック(川口市戸塚)。 ファブレス経営による徹底した品質管理と高いデザイン力を武器に成長を続けている。金田紀幸社長に次の戦略を聞いた。
─近年、知的財産を活かした「IPプロジェクト」にも力を入れています。
「デザイン力や開発力を活かしたIPプロジェクト・ビジネスをさらに強化していく。ドリテックが培ってきた技術や20人のデザイナーによるデザイン力を基盤に、独自のキャラクターやブランド、意匠などの知的財産(IP)を創出・活用するビジネスに注力している。他社との差別化を図るだけでなく、ドリテックならではの付加価値の高い商品群を展開し、独自のIPビジネスとしての柱を強固に育てていく方針だ」
─今後の成長戦略として、特に注力していく分野を教えてください。
「今後は『BtoC(消費者向けビジネス)』の強化、具体的には自社ECサイトの展開に注力する。消費者の皆様への認知度拡大を図るとともに、ECサイトの売上拡大と体制強化を進めていく。中長期的には、BtoB(企業間取引)とBtoCの売上比率を『5対5』にまで引き上げるのが目標。現在は円安や材料費・物流費の高騰など、取り巻く環境のリスクが高まっている。これらのリスクを軽減するためにも、ECを通じた自社製品の直販は極めて重要だ。将来的には、自社小売店舗の開設も選択肢の一つとして視野に入れている」
─消費者向けで新しい取り組みは。
「今年初めて、東川口駅コンコースの『駅マルシェ』に出店した。これまでは直接お客様と接する機会が少なかったため、こうしたリアルな場での出店を通じて、直販における貴重な経験値とお客様の生の声を蓄積していきたいと考えている」
─海外市場への進出など、グローバル戦略はいかがでしょうか。
「アメリカ市場への進出を計画しており、2027年1月に『Amazon USA』へサイトを開設する。IPプロジェクトと連動させながら、海外でのビジネスをさらに強化し、グローバル市場での存在感を高めていく方針」
─最後に、金田社長が目指す企業のあり方と、人材育成への想いをお聞かせください。
「『お客様よし、会社よし、社会に貢献、社員が幸福』の『四方よし』の経営を推進している。社員が誇りと幸福を感じるからこそ、お客様の期待を超える素晴らしい製品やサービスが生まれる。その結果として得られた利益を、次の事業投資や社会課題の解決、そして社員への還元へとつなげていく。この「好循環」をつくることで持続可能な成長を実現し、社会から広く必要とされる企業を目指す。また、社内では自己啓発制度を設け、資格取得を積極的に支援するなど、社員一人ひとりの成長を会社全体でバックアップしている」
【企業概要】 株式会社ドリテック…本社・川口市戸塚2-11-8。1997年6月に設立。資本金は9000万円、従業員数は121人(2026年年9月末現在)。暮らしにかかわる計測機器や生活家電、医療機器などの企画・開発・販売を手がける。
【埼玉県の経済をけん引する企業トップに焦点を当てた、新インタビュー連載「埼玉発・企業トップが語る成長戦略」がスタート。毎週火曜日と金曜日の週2回、電子版で配信する。激変する経営環境のなかで、いかにして次の成長カーブを描いているのか。最前線で舵を取る経営者の戦略に迫る】
=埼玉新聞WEB版=








