埼玉新聞

 

<知事選>未来の埼玉、幕開け 「政策通」大野氏が初当選 政党や会派超え支援、課題めじろ押し

  • 初当選を決め、支援者から花束を渡され、笑顔を見せる大野元裕氏(中央)=25日午後10時15分ごろ、さいたま市浦和区高砂の選挙事務所

 25日に投開票された知事選は、野党4党の県組織が支援する前参院議員大野元裕氏(55)が、自民、公明両党が推薦するスポーツライター青島健太氏(61)ら新人4人を下して初当選した。上田県政の「継続」を訴えた大野氏が、事実上の与野党対決を制した。政策通として知られ、上田知事の全面支援を受けた大野氏。県民の負託を受けて新時代を担うことになった。

■「県民が主語」訴え 草の根選挙、支持拡大

 さいたま市浦和区高砂の大野元裕氏の事務所に当選確実の一報が飛び込むと、詰め掛けた支援者らから歓喜の声が響いた。接戦となった知事選で勝利を収めた大野氏は「心から感謝します。一人一人の力があってこそ、当選することができた。未来の埼玉の幕開けになるように頑張っていきたい」と喜びをかみしめた。

 参院議員を辞職して臨んだ知事選。6月には所属していた国民民主党を離党し、「無所属県民党」として戦った。「有権者と同じ目線で、一人一人に政策を伝えたい」と、大宮駅や浦和駅、川口駅など、主要駅に連日立ち続けた。

 国民や立憲民主党、社民党の県組織から支持を受け、上田清司知事も全面支援した。「政党や会派を超えた人たちに集まっていただいた」。日に日に支援の輪は広がり、「草の根選挙」を展開した。

 上田県政の「継承と発展」を掲げ、「県民のための、県民が主語となる政治が重要」と訴えた。県庁建て替え問題については「県民のニーズに従いたい」と、福祉の充実や教育支援、交通網の整備などを優先事項に挙げてきた。

 9年間の参院議員時代は「政策通」として知られた大野氏。当選確定後、「埼玉も少子高齢化が進んでいく。直近でもラグビー・ワールドカップの開幕が迫っている。交通、治安対策など課題がめじろ押しだ。時代に合わせて必要なことに取り組む」と話した。

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