【連載】埼玉発・企業トップが語る成長戦略 徹工業・古屋徹社長〈前編〉30億円規模の大型投資へ、久喜市に新工場27年2月稼働目指す
金属加工などを手がける徹工業(久喜市桜田)が成長を続けている。幅広い業界を顧客に持ち、さらなる飛躍に向け30億円規模の大型投資に踏み切ることを決めた。古屋徹社長に未来へ向け次の一手を聞いた。
―道路や土木、建築、電設など非常に幅広い分野の製品を手がけています。
「ひと言でいえば私たちは『ものづくりの雑貨屋』だ。道路、土木といった社会インフラから建設、電気に至るまで、多種多様な業界と深く関わっている。お客さまの要望に合わせ、多品種小ロットから大ロットまで柔軟に対応する『対応力』こそが徹工業の最大の強みだ。これまでも技術を磨き、他社にない最先端の設備を積極的に採り入れてきた。今回の大規模な投資も、これまで以上にお客さまの声に高いレベルで応えていくための挑戦だ」
―具体的にどのような投資を実施するのですか。
「2026年2月に大手農業機械メーカーの工場跡地を取得した。久喜市のJR東鷲宮駅から徒歩8分程度の好立地だ。周辺環境とアクセスに非常に恵まれた約1万8000平方メートルの敷地に工場と事務所棟が建っている。全体の投資額は約30億円を見込む。今後はこの工場を改修し、最先端の加工設備を新たに導入する。稼働時期は27年2月を目指している」
―新工場開設の狙いは。
「現在展開している4つの工場の機能を抜本的に見直し、レイアウトの最適化と加工設備の増強によって、生産能力を大幅に向上させるのが狙いだ。『久喜工場』の敷地内で分散していた加工設備の多くを新工場に移設集約する。『白岡工場』の土木関連製缶品は『久喜工場』に移す。また、久喜工場にある本社機能も新工場に移転する。久喜工場は将来的に改築して塗装工場へと生まれ変わらせる構想だ。また、今回の大規模な投資は生産能力を上げるだけでなく、私たちが未来へ進むための強固な基盤づくりだ。そして持続可能なインフラとして徹工業が進化するための一歩だ」
「また、技術面だけでなく、品質管理体制もさらに強固なものへと引き上げていく。これまで培ってきた職人の熟練の技と、新工場へ導入する最新設備により不良品ゼロを徹底し、より信頼性の高いものづくりを追求する。さらに、環境に配慮した製造プロセスの導入やグリーンエネルギーの活用など、持続可能な工場運営にも積極的に挑戦していく。今回の投資を契機に、すべてのステークホルダーから『徹工業に任せれば安心だ』と言っていただけるだけの圧倒的な価値を提供し、独自のポジションを確立したい」
【企業概要】株式会社徹工業…本社・久喜市桜田5-21-1。2001年3月に設立。資本金は1000万円、従業員数は85人(2026年年9月末現在)。ステンレス精密板金、製缶加工、樹脂加工などを手がける。久喜市、白岡市、加須市に工場を開設している。
【埼玉県の経済をけん引する企業トップに焦点を当てた、新インタビュー連載「埼玉発・企業トップが語る成長戦略」がスタート。毎週火曜日と金曜日の週2回、電子版で配信する。激変する経営環境のなかで、いかにして次の成長カーブを描いているのか。最前線で舵を取る経営者の戦略に迫る】
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