埼玉新聞

 

一つ目妖怪・荒俣宏さん、所沢で妖怪を解説 「妖怪は脅かすがお土産もくれる」怖くて泣きだす子どもも

  • 妖怪について解説する荒俣宏さん(右)=所沢市上安松の市保健センター

 所沢市東所沢和田に複合文化施設「ところざわサクラタウン」を建設中の角川文化振興財団は13日、同市上安松の市保健センターで「夏休み子ども妖怪教室」を開催した。作家で妖怪博士の荒俣宏さんが講師を務め、妖怪の成り立ちなどについて説明した。

 教室には親子連れなど約185人が参加。荒俣さんが一つ目妖怪の姿で登場すると、会場内から大きな歓声が上がった。

 荒俣さんは、妖怪は身近にいて一緒に暮らしていることや、子どもが泣くことが好きなことを紹介。妖怪について「姿が見えなくて、何か分からないもの。見えないと不便なので古代の人が考えて形をつくった。今の言葉でいうと台風も妖怪」と解説した。

 同時に「妖怪は脅かすけれど、お土産を持ってきてくれる。妖怪は怖いけれど、もう一歩進んでなぜそのような形になったのか、好奇心を持った時に私たちの知恵は、一歩も二歩も前進する」と紹介した。

 講演後には、烏天狗(てんぐ)と夜道怪(やどうかい)、河童(かっぱ)の3種の妖怪が会場に登場。子どもたちから大きな歓声が上がる一方、怖くて泣きだす子どもの姿もいた。荒俣さんがそれぞれの妖怪について説明すると、子どもだけでなく保護者からも「知らなかった」と感心する声が出ていた。

 兄弟で教室に参加した所沢市の小学6年、ツン鵬臣(ともおみ)君(11)は「妖怪は脅かすけれど、お土産をくれるという話が面白かった。知らないことも多かった」と振り返り、3年生の宥憲(ひろのり)君(9)は「河童が一番怖かった。妖怪の絵がうまく描けそう」と笑顔で話していた。

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