人面模様の”ガ”発見 専門家も「非常に珍しい」と驚き 九州などに分布する「クロメンガタスズメ」
背中部分が人の顔やドクロのように見える「クロメンガタスズメ」を上尾市のネイリスト佐藤優子さん(46)が発見した。佐藤さんは現在、自宅で飼育し、天寿を全うさせた後は標本にしたいと考えている。専門家も「この辺りでは非常に珍しい。よく見つけたと思う」と話している。
クロメンガタスズメは、チョウ目スズメガ科の昆虫でガの一種。国内では九州、屋久島、沖縄本島に多く分布。台湾や中国、インドなどでも見られる。成虫の背中(胸部背面)にドクロマークや人の顔に見える独特の模様があるのが特徴。羽を広げると10センチほどになる大型のガで夜行性。絶滅危惧種にはなっていない。
近縁種の「メンガタスズメ」は、1991年に大ヒットしたサイコ・ホラー映画「羊たちの沈黙」のポスターに起用された。白いドクロの顔が強い印象を残しており、物語の中でも連続殺人事件の不気味な描写とともに登場している。
佐藤さんがクロメンガタスズメを発見したのは市内の上平公園。「月の女神」と呼ばれる「オオミズアオ」を探している時に偶然見つけた。「最初はセミかなと思ったけれど、大きいし違和感があって、突然変異かもと近づいてみたらドクロが見えた」とその時の状況を振り返る。すぐにスマートフォンで写真を撮り、インターネットで調べたところ、クロメンガタスズメと判明した。
現在、佐藤さんは大型のメッシュケージを自作し、飼育している。フルーツ味の昆虫ゼリーを好んで食べ、夜になると力強く飛び回っているという。佐藤さんは「ファントム」と名付け、その独特な姿にすっかり魅了された様子だ。「あまり長くは生きられないと聞いているので、天寿を全うするまで大事に観察したい」と話している。
市自然学習館の昆虫担当指導員の渡辺明雄さん(70)によると「日本にいるのはクロメンガタスズメで間違いない。上尾で捕獲されたのは初めて。佐藤さんから問い合わせがあり、驚いた」と話す。同館にも標本がなく、データもないため「貴重な資料として拝見したい」としている。











