合同庁舎に除染土搬入 さいたま新都心、花壇で再利用開始
環境省は30日、東京電力福島第1原発事故後に福島県内の除染で出た土の再利用を、国の出先機関のさいたま新都心合同庁舎(さいたま市中央区)1号館敷地内で開始した。作業員が同館入り口付近の車寄せ前の花壇に1立方メートルの除染土を投入後、園芸用の土をかぶせ、植物を植えた。同省は定期的に周辺の放射線量を測定して公表し、除染土の安全性を示していくという。都外での除染土再利用は、29日の仙台市内に次いで2例目。
同省環境再生・資源循環局によると、除染土は29日午後6時過ぎに同館に搬入された。30日午前6時ごろからショベルカーなどを用いて、花壇の土を約30センチ掘り、袋に詰まった除染土を投入後、約20センチの覆土をして、園芸用の草「コグマザサ」を植えた。
政府は、放射性セシウム濃度が1キログラム当たり8千ベクレル以下の除染土を「復興再生土」と呼び、公共工事などで再利用する方針。放射線による人体への影響は無視できるレベルとしており、今回再利用した除染土は約4千ベクレルという。
同局担当者は「継続的な情報発信で、安全性を皆さんに伝えていく」と話した。今後1カ月間は、周辺の空間放射線量測定(モニタリング)を週1回実施。2カ月目以降は、月1回測定し、結果を環境省ホームページなどで公表していくという。
この日、同庁舎前には、搬入に反対する市民団体などが集まっていた。午前6時過ぎから作業を見ていたという同市の70代男性は、搬入前に市民らへの説明が行われなかったことに不満を抱いていた。「再利用の取り組みが各地の施設へ広げられていくと聞くので、この流れが当たり前になってはいけない」と訴えた。
JRさいたま新都心駅西口から徒歩圏内の同庁舎周辺には大型の多目的アリーナやショッピングモール、医療機関が集まる。親子で買い物に訪れた同市の30代男性は「今回の土は『人体への影響はゼロに近いレベル』と聞くので、特に心配はしていないが、今後公開される数値はチェックしようと思う」と話していた。











