埼玉新聞

 

匿流グループの主犯格らを逮捕 強盗予備の疑いで埼玉県警 相次ぐ匿流の犯行 県警内に分析室を設立し捜査強化へ

  • 【警察】埼玉県警察本部=埼玉県さいたま市浦和区高砂

    埼玉県警察本部=埼玉県さいたま市浦和区高砂

  • 【警察】埼玉県警察本部=埼玉県さいたま市浦和区高砂

 千葉県内の宝石店だった建物に強盗に入る準備を進めたとして、狭山署の特別捜査班は6日までに、強盗予備の疑いで、東京都板橋区泉町、指定暴力団傘下組織幹部で無職の男ら5人を逮捕、再逮捕した。男は匿名・流動型犯罪グループ(匿流)の首魁(しゅかい)とみられ、県警はほかにも複数の事件に関与しているとみて組織の全容解明を進めている。

 逮捕、再逮捕容疑は氏名不詳の者らと共謀し、2月26~27日にかけて、千葉県木更津市の宝石店だった建物に強盗に入る準備をした上で周辺を徘徊(はいかい)するなどした疑い。県警は共犯事件のため認否を明らかにしていない。特別捜査班はこれまでに、このグループによる特殊詐欺事件で、詐欺容疑で男ら2人を逮捕していた。

 特別捜査班によると、グループ関係者の20代男性が2月27日、千葉県警に「強盗に入れと言われた」と相談し発覚。埼玉県警が情報を基にグループが使用していた盗難乗用車を春日部市内のコインパーキングで発見し、メンバーらが集合して木更津市へ向かうなどしているのを確認していた。

 グループは、犯行対象の情報を持つ外部の「案件屋」から仕入れて犯行に及んだとみられている。

■相次ぐ匿流の犯行 県警、分析室の設立で捜査強化へ

 互いに面識のない実行犯が離合集散して強盗や窃盗、特殊詐欺などの犯罪を敢行し犯罪収益を得る匿名・流動型犯罪グループ(匿流)。警察組織は対策の強化に乗り出し、埼玉県警は今年4月、刑事部に組対・匿流情報分析室を新設した。昨年10月には、警視庁が匿名・流動型犯罪グループ対策本部を設置しており、全国の犯行情報を共有している。

 県警組織犯罪対策(組対)総務課によると、県内で昨年1年間、匿流によるとみられる犯罪の検挙人員は473人。うち約2割が、交流サイト(SNS)での犯罪募集情報(闇バイト)に応募して犯行に関与したという。今年上半期は全体の約3割超に上り、罪名別では詐欺関連が66人で最も多く、強盗関連は18人(いずれも暫定値)だった。

 県内では2024年8~10月にかけて、さいたま市や所沢市の住宅を狙った強盗事件が4件発生。今年に入ってからは今回の事件のほか、さいたま市緑区で2~5月の間に同じ住宅が複数回窃盗被害に遭った。吉川市でも強盗目的で凶器を持ち徘徊(はいかい)していた事件があり、県警はいずれの事件も強盗予備容疑で複数の男らを逮捕した。

 匿流グループによっては罪種が多岐にわたり、犯行場所も県内外に及ぶ。ある県警幹部は「これからは主幹課だけでなく、『オール埼玉県警』で捜査に当たらないとならない」と話す。実際、緑区の事件では窃盗事件を担当する捜査3課だけでなく、刑事部の8部門が合同で捜査した。

 新設した組対・匿流情報分析室の幹部は、匿流グループによる事件の捜査に積極的に関与し情報を集約することで、加担する人物の関係性を解明し組織の摘発につながると指摘。「匿流事件の主幹課として、組織内外との部門横断捜査のパイプ役として機能していきたい」と話している。

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