埼玉新聞

 

築60年の県庁舎、建て替えで議会に特別委 知事選の論点にも「今すぐには反対」「できるだけ早く」

  • 2010年度までに耐震補強された県庁本庁舎

 建設から60年以上が経過している県庁舎の建て替えを行うべきか否か。6月の定例県議会で、県庁舎の建て替えなどを検討する特別委員会が設置された。今回の知事選でも一つの論点に挙がっており、主要候補の主張は異なる。上田清司知事や野党4党の県組織が支援する前参院議員の大野元裕氏(55)は「県庁舎は新しい方がいいが、今すぐの建て替えには反対」と慎重な構え。一方、自民、公明両党が推薦するスポーツライターの青島健太氏(61)は「県政の中心として、県庁舎はできるだけ早く建て替えた方がいい」と前向きな姿勢を示している。

 特別委の設置は、自民県議が「職員のモチベーションアップや生産性向上、優秀な人材確保の面から、良質なオフィス・労働環境が必要」などと主張し、自民、公明両会派の賛成多数で設置が決まった。

 県管財課によると、県庁の本庁舎は地上5階地下1階建てで1955年に完成。県警本部が入る第2庁舎は地上10階地下2階建てで74年に完成し、地上5階地下1階建ての第3庁舎は63年に建てられ、79年に増築された。

 2004年に新潟県中越地震などが発生し、改正耐震改修促進法が成立、施行された。これを受け、県庁舎の建て替えか耐震改修工事かの検討が始まり、上田知事は耐震改修工事を選択。08~10年度に本庁舎や第2庁舎、第3庁舎など計6棟で約51億円をかけて工事を実施した。建て替えた場合に必要な費用は当時の試算で約421億円とされた。

 県が15年度に策定した「庁舎・公の施設マネジメント方針」では、財政負担の平準化を図るため、建物の目標使用年数を65年から80年に延ばしている。

 建て替えについて、大野氏は「議論は透明性を持ってしなければ、県民に納得いただけず、プロセスをきちんと経ないといけない。子どもや高齢者、多くの人が救いの手、未来への懸け橋を待っている」と他の優先施策に投資するべきとの認識に立つ。

 一方の青島氏は「県庁の建て替えのタイミングは当然来る。県政の中心、県の象徴として誇れるような県庁舎は、できるだけ早く建て替えた方がいい。皆さんの意見を聞き、決断するのは知事の仕事」と早期の建設を主張している。

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