埼玉新聞

 

薬剤師の魅力を実感 県内高校生60人が参加 「さまざまな知識が必要」 日本薬科大学と県が体験教室

  • 2つの薬剤を混ぜるなどの調剤体験をする高校生たち=25日、伊奈町小室の日本薬科大学研究棟

    2つの薬剤を混ぜるなどの調剤体験をする高校生たち=25日、伊奈町小室の日本薬科大学研究棟

  • 【地図】伊奈町(背景薄緑)

    伊奈町の地図

  • 2つの薬剤を混ぜるなどの調剤体験をする高校生たち=25日、伊奈町小室の日本薬科大学研究棟
  • 【地図】伊奈町(背景薄緑)

 日本薬科大学と県が共催する「高校生のための一日薬剤師体験教室」が25日、同大学さいたまキャンパス(伊奈町小室)で行われ、県内の高校生約60人が参加した。実際に薬の調剤体験をした高校生は「薬局で薬を出すだけではない、さまざまな知識が必要な仕事だということが分かった」と薬剤師について理解を深めた様子だった。

 2008年から実施している体験教室は、今回で14回目。人気のイベントで、参加者は抽選で選ばれた。今年は実習と講義に加え、同大学の図書館と漢方資料館の見学が初めて実現した。高校生たちは漢方専門の講師から東洋医学、伝統医学の講義を受け、漢方資料館で薬の原料になる植物など貴重な資料や専門書について説明を聞いた。

 実習では、まず手洗いの基本について指導を受けた後、軟こう、散剤(粉薬)、注射薬といったそれぞれの調剤の仕方を体験した。

 病院の薬剤師の仕事に「注射薬の準備」があり、無菌状態の部屋で行われる。高校生らは「ツインパル輸液」という糖・電解質とアミノ酸が二つに仕切られている点滴薬の調剤作業に挑戦した。井出直仁教授が「糖とアミノ酸はメイラード反応で着色、変質してしまうので、点滴の直前に混ぜなければならない」と説明。高校生らが自分の手で仕切りを開通させて二つの液体を合わせた。続いて、その中に別の薬を注入する体験もした。井出教授は「特に注意すべき抗がん剤なども準備するのは薬剤師。薬については医師や看護師にも頼りにされる」と薬剤師の役割を話した。

 浦和麗明高校1年の田中千陽さん(15)は「思った以上に気を使うことがたくさんあると思った。薬局で薬を出すのが薬剤師と思っていたけれど、行政や病院などいろいろなところで活躍していることも分かった。将来、医療系に進みたいので、とても良い体験ができた」と笑顔を見せた。

 体験教室を統括した中島孝則教授は「薬剤師は社会に貢献する身近な医療職。安全に薬を使ってもらうことを常に考えている。この一日体験を通して、薬剤師を知るきっかけにしてほしい。そしてぜひ薬剤師を目指してほしい」と呼びかけた。
 

ツイート シェア シェア